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なぜなぜ問答(解析)はやめましょう!

往来庵の菊地克仁です。
誰にでもある「潜在能力」の実践的な
引き出し方をお伝えしています。

いつも私のメルマガをお読みいただき、
どうもありがとうございます。

突然ですが、
簡単な質問をさせてください。

あなたのパソコンが突然動かなくなったとき、
あなたはどうしますか?

私の場合は、
買ったショップに現物を持って行って、
いろいろチェックしてもらい、
真の原因を探してもらいます。

必要なら部品を取り換えて、
「これでもう大丈夫ですよ」という言葉で、
修理費を払ってこの話は終わります。

先日、
ある会社の管理職の方にお会いした時に
お聞きした話です。

社内で何か問題が起こると、
すぐ「なぜだ?」を3回繰り返すように
指導されているというのです。

先ほどのパソコン修理と同じです。
「真の原因追及をして解決に結びつける」
という目的なのだそうです。

こうした方法を、
「なぜなぜ問答」とか、
「なぜなぜ解析」と呼んで、
励行している企業なども多々あるそうです。

実は、
このときの当事者たちの持つ思考と行動が、
傑作なのです。

この方が言うには、
「如何に自分の部署の責任ではなかったか」
「他部署の判断ミスの悪影響を、
 こちらも被った」
等々について、
一生懸命に考えて、
自分たちの責任回避に走るのだそうです。
優秀な頭の良さをそこに使うのです。

「二度と同じ間違いを起こさない」という
本来の目的は二の次になります。

要は、
こういった質問の繰り返しは、
現実的には「責任追及の場」にしか
なっていないのです。
単なる「犯人捜し」です。

自分たちの責任でなければ、
それでこの話題は一件落着です。

なぜ、
いい大人たちが集まって、
こんなことになるのでしょうか? 

確かに、
パソコンの修理はこれでうまくいくのに
・・・です。

その一番の原因は、
「人には感情がある」ということです。

ここがパソコン修理と根本的に違う点です。
誰だって
「全責任をおっかぶせられる」のはゴメン
です。

そんな悔しい思いはしたくありません。
これが感情です。
極めて「非論理的」で人間らしい部分です。

これは次のように、
別の視点から見れば、
すぐに理解できます。

この「やり方を推進している人」を
よく見てみましょう。
組織の中で、
「絶対に自分に責任が及ばない立場の人」
が一所懸命になって推進している筈です。

こうした非生産的な社内制度に対して、
私はただ批判だけして、
この話題を終わらせるつもりはありません。

以下は、
「なぜなぜ問答(解析)」の代わりに、
「こういう言葉を、
組織の共通言語にしたらどうですか?」
という提案です。

それは・・・
「次からどうしたらいいと思う?」
というお互いの問いかけです。

この言葉は誰のことも責めていません。
誰かに露骨な反省も要求していません。
誰もプライドを傷つけられることも
ありません。

「次のために、
 この経験をどう活かす?」
と確認し合っているだけです。

たったこれだけの言葉で、
組織全体の雰囲気が
「まったく別のモノ」に変わっていること
がわかると思います。

「こんな優しい言葉じゃ、
 反省する奴がいない!」
と考える方もいるかと思いますが、
この声がけの答えは、
各自の反省の上に成り立っていることが
わかります。

ただそれが、
「個人攻撃にならない」
「他からの批判の的になることはない」
ということです。

わざわざイヤな思いをさせて、
「それがイヤなら二度と間違いを起こすな!」
という方が効果的だ、
と考えている人や組織もあるようです。

すると当事者は、
そのイヤな思いを避けるために、
自分一人で解決策を考え、
独自の行動に走ったり、
隠ぺい工作をしたり、
もっと大きな問題や事故につながってしまう
こともあります。

約17年前に起きた
大阪JR福知山線脱線事故がいい例でしょう。

遅れた時間を取り戻そうとした運転手が、
スピードを出し過ぎてカーブを曲がり切れず
脱線事故を起こしたのです。
この会社には、
ダイヤを守れない運転手に対して、
社内で一日中罵詈雑言を浴びせる習慣が
あったそうです。

彼は、
それはもう二度と御免だと考え、
ひとりで何とかしようとした結果の事故
だったのです。

これは個人ではなく、
その組織の問題です。

組織を活性化させるために、
「将来の目的への姿勢を全社員で共有する」
のか、
「イヤなことを回避させるための罰則規定
を強化する」のか、
組織活動の中で、
どちらが健全なモチベーションを
維持しやすいと思いますか?ということ
だと思います。

ここから先は、
組織を構成している各自が決めることだと
思います。

今回も私のメルマガをお読みいただき、
どうもありがとうございました。

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