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コロナウィルス問題から学ぶもの

毎回、メルマガをお読みいただき、
どうもありがとうございます。

先の見えない今の状況の中にいて、
「運命はここから何を学べと言っているのだろう」
と考えてみました。

自粛生活を余儀なくされ、
自宅に籠り、
毎日をうんざりして過ごしている方々は、
私だけではないでしょう。

一方で、
家族や自分のためにも、
仕事はなんとかしないとマズイと不安を抱えながら、
あれこれ思い悩んでいる方々が大勢いるのではないかと思います。

その不安と仕事の板挟みになり、
解決策を模索している過程の中で、
テレビ電話等を使った情報交換や新しいコミュニケーション手法が、
社会の中でどんどん定着してきているように思います。

因みに、
その手法のひとつであるZOOMは、
昨年10月に全世界の登録者数が1千万人だったものが、
今年3月に2億人、4月は3億人になったというお話を
先日お伺いしました。

何かが大きなうねりのようになって、
静かに社会がシフトしている様子がわかります。

私も最近ではリアルな会合を自粛し、
情報交換やセミナーなどもZOOMによる方法に切り替えました。

このような状態が続くことで、
私だけではなく、
多くの方々が以下のようなことを考え始めたのではないかと
思っています。

毎朝決まった通勤時間に、
スーツ姿で満員電車に乗り、
物理的に自分を運ぶ必要性が本当にあるのか?
どうしても相手に会わなければならない場合と、
テレビ電話で要件を済ませられる場合を、
もっと積極的に使い分けることを考えてもいいのではないか?

会うために必要とされた往復の移動時間が無くなれば、
より価値のあることに集中することで、
時間をもっと有効に使えるのではないか?

などといったことです。

こうした考え方のなじまない業種もあるとは思いますが、
私は大きな社会の変革が、
多くの方々の意識の底で徐々に始まってきているように感じます。

話は少し違いますが、
例えばAI技術の社会進出について、
今の職を奪う元凶になると恐れる人と、
効率的にもっといい仕事ができるようになる、
という真反対の考え方があります。

同様に、
今のようにやむなく人に会えない環境のもとにいると、
本当に相手と対面しないとできないことと、
対面しなくてもできることについて、
誰もが意識の深いところで、
はっきりと選別していく習慣が身についていくように思います。

強いられた環境の中に押し込められていることで、
今までに気がつかなかったようないろいろな考え方が浮かんでくるのです。

つい数ヶ月前までは働き方改革について、
いろいろと積極的な対策を政府は訴えていました。

でも世の中は無視する一方で、
多くの企業には、
その政策に素直に従う気配など、ほとんどありませんでした。

でも今の状況は皮肉にも、
まさにその働き方改革を極端な形で現実化したものになっています。

イノベーションというよりも破壊的変革になっています。

現在のこうした環境の中で、
心の奥底に新しく生まれた意識に気づいたまま、
やがて自粛が解除され、
元の環境に戻ったとしても、
多くの方々は何となく従来からの仕事の進め方に、
大きな違和感を持つのではないかと思います。

仕事と家庭のあり方や家族との関係などについても同じかもしれません。

疑うことなく従来から続けられてきた社会環境やビジネスの方法について、

「本当にこういうやり方や状態が、
これからも疑うことなく本当に守るべきことなのか?」

と多くの方々が考えるようになるかもしれません。

それは未知なるチャンスにつながる大きな意識改革になるのではないか、
などと考えてしまいます。

今のように強制された環境の中にいると、
こうした意識の深いところに沈殿した新たな気づきや記憶が、
やがて大きな変革の推進力につながるのではないかと思います。

未曽有の大きなできごとのあった後には、
必ず何らかの大きな意識の変革が起こります。

我々だけでなく、
世界中が今、
その真っただ中にいるというわけです。

9年前の東日本大震災後、
モノからコトに人々の意識が変わったと言われます。

それは例えば、
「お婆ちゃんのところは、またリンゴでも送っとけよ!」
と言っていた息子夫婦が、
「お婆ちゃんに会いに行って、一緒に食事をしよう!」
という意識に変わったと言われています。

つまり、
直接間接を問わず、
大切な人を一瞬で失うという経験をしたことで、
人々の考え方の基本が変わったのです。

モノは何かで補うことはできるかもしれないが、
コトは他では補えない、
ということに気がついた人が増えたと言われています。

私は、
今のコロナウィルス問題で、
こうした大きな意識の変革が、
多くの方々の心の中で、
静かに、
そして着実に進んでいると思っています。

我々の次の世代が、
このコロナウィルス問題に始まった今の辛い状態について、
「人として意味ある経験、
価値ある教訓を生み出し、
次の指標を与えてくれた出来事だった」と
語り継がれるようになればいいと思っています。

そしてそのようにしていくのは、
今の私たち自身だと思っています。

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