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メールマガジン バックナンバー
「今さえよければ…」から生まれる恐ろしいこと
往来庵の菊地克仁です。
いつも私のメルマガを
お読みいただき、
どうもありがとうございます。
今日は、
私が実際に体験した
出来事をもとに、
「短期的視点」と
「長期的視点」の重要性について
お話ししたいと思います。
企業名や個人名は伏せますが、
「はぁ??」と思わず
口に出してしまうような、
久々に驚かされた経験でした。
【名刺交換だけでは
わからなかった違和感】
ある異業種交流会で、
偶然一人の若い営業マンと
名刺交換をしました。
初対面でしたが、
彼は私の話を少し聞いたあとで、
こう切り出しました。
「菊地さんのされていることに
非常に興味があります。
ぜひ改めてお会いできませんか?」
こうして後日面談の約束を
することになりました。
数日後、
彼から候補日が3つ
送られてきました。
その中の一つを選び
返事をしました。
しかし約1週間後、
面談直前になって
彼からメールが入りました。
「すみません、
勘違いで予定を2日後に
していました。
明日は会えません。」
私は彼の提示した日程を
選んだはずなのに、
どうも腑に落ちない。
しかし誰にでも
勘違いはあると思い、
気を取り直して
再調整に応じました。
【目的がいつの間にかすり替わる】
その後もやりとりを続けていると、
さらに違和感が増していきました。
・ 返信が毎回とても遅い。
(数日後に返事が来る)
・ 「面談の際に、
自社サービスの説明もしたい」
と目的が追加されていく。
・ 最後には
「上司と一緒に対応したい」と、
最初の話とすっかり違う方向へ。
結局私は、
正式に面談をお断りしました。
なぜなら、
当初の
「あなたの話をもっと聞きたい」
という申し出が、
いつの間にか
「自社サービスを売り込みたい」に
変わってしまっていたからです。
【背景にある「営業の仕組み」】
冷静に振り返ると、
いくつかの仮説が浮かびました。
1.営業マンの役割が
「人を会社に呼ぶこと」
になっている
異業種交流会で名刺を集め、
上司に引き合わせる。
それ自体が、
彼の社内評価の対象に
なっているのではないか。
2. 「あなたの話をもっと聞きたい」と
言えば相手は動く
そう言って面談を設定すれば、
短時間で多くの人を呼び込める。
3. 実際には
相手の話を聞く気は最初からなく、
上司と一緒に
自社サービスを説明することが目的
4.
結果としてこの営業マンの
「新規客を会社に呼んだ実績」
が評価される
5.
それが顧客獲得に
つながるかどうかは二の次。
もしこれが本人の発案なら
確信犯的ですし、
上司の指示や会社の営業方針なら、
それはそれで
「立派な短期的戦略」と言えるでしょう。
【短期的視点が生むもの】
彼のレスポンスが遅かったのも、
いちいち上司に確認を
取っていたからかもしれません。
つまり、
彼には自分で判断する余地が
与えられていなかった。
しかしこのやり方が続けば、
やがて誰も、
この会社を信用しなくなるでしょう。
初対面での会話すら
信じられなくなれば、
長期的に見て
その会社のブランドは
確実に傷つきます。
これは営業活動に限った話
ではありません。
企業全体でも
「短期的視点」と
「長期的視点」がズレると、
やがて大きな歪みが
生まれます。
目先の数字を追いかけるあまり、
周囲からの信頼を失う。
そんな光景を
私たちは少なからず
見てきたのではないでしょうか。
【長期的視点を持つということ】
もちろん、
「その場さえよければいい」と
考える人は、
どんな業界にも存在します。
私はこれまでに
何度もそういう営業マンと
会ってきました。
彼らは日々ノルマに追われ、
必死にもがき続けています。
しかし一番の問題は
「仕事そのものを、
そういうものとして
捉えてしまうクセ」
がつくことです。
やがてそれが
一生の「仕事観」に
なりかねないのです。
私は決して
「常に相手のことを第一に」と
綺麗ごとを言うつもりは
ありません。
ただし、
長期的視点に立ち
「相手も自分も
共に豊かになる」方向
に向かうことが、
結局は、
自分自身を救い、
自らの成長につながり、
双方を豊かにすることだ
と信じています。
【学びをくれた若い営業マンへ】
今回の出来事で、
私は何も失うことなく、
多くの気づきを得ました。
むしろ、
考えるきっかけをくれた
この若い営業マンに、
感謝すらしています。
彼のお陰で、
この文章も書けています。
ものごとは捉え方次第です。
そのとらえ方が思考を変え、
未来を変えていく。
私は日々の仕事を通して、
その大切さをお伝えしています。
もし今日のお話に
少しでも共感いただけたら、
ぜひこちらもご覧ください。
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