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教え子が天国に行きました
皆様 お元気ですか 元校長で
社会福祉士のノブちゃんです。
今月初めに,教え子が亡く
なりました。新聞の死亡欄に
名前が載っており,それで
知ったのでした。この子は同
じ町内に住んでおり,亡くな
る数日前にお父さんと合い,
お嬢さんのことを話したばか
りでした。その時,娘さんは
入院中で,食事はできず鼻に
チューブを挿入した経管栄養
とのことでした。意識はあり,
会うとお話はできたと言われ
ていました。葬儀に立ち会う
ことはできませんでしたので,
自宅へお伺いしお話ししまし
た。聞きますと,週1回面会が
でき,面会をした,その翌日
に亡くなられたそうです。数
えで53歳でした。
彼女とは小学校,養護学校,
障害者施設と3度縁がありまし
た。小学校では高学年で担任
をしました。一番の思い出は,
給食時に発作を起こし,救急
車を呼んだことでした。もや
しの酢の物を口に入れた時,
発作が起き,口の周りが青紫
色になり,もやしが口の中に
あるので,それを取り出そう
としても開けることができな
い状態でした。保護者へ連絡
し,かかりつけの病院へ搬送
してもらう救急車の中で,意
識が戻り事なきを得たのでし
た。養護学校中学部では,私
が中学部主事で修学旅行に引
率で大分県へ行った時でした。
市内の水族館で見学をしてい
ると大きな魚(「ぶり」か,
「まぐろ」)を見て,「先生,
刺身が!」と,私も思わず
「そう,刺身ね!」と応えた
ことがありました。そして,
私が退職し,障害者施設に勤
務するとそこに,彼女がいま
した。通所の施設で,10時ご
ろ来ると,よく椅子に座り,
右手を上にかざし,親指と中
指をこすり合わせている姿や
優しい声で話しかけてきたの
が思い出されます。
これまで,数名の教え子が
天国へ行きました。皆さん
40~50代でした。また,校
長として最後に勤務した養護
学校に2年いましたが,重度
障害児が多く,小学部の1年
生と5年生の二人を見送りま
した。人生100年時代と言わ
れますが,このように若くし
て亡くなる方もおり,その親
御さんに対しては,なんとも
言いようがありませんでした。
先日近くの葬儀会社主催の
演奏会があり,その第一部で
講話がありました。そこで,
「グリーフ」「モーニング」
「グリーフサポート」いう
言葉を知りました。グリーフ
は「死別によって引き起こさ
れる,様々な思い・感情・思
考が閉じ込められた状態」,
モーニングは「ありのままの
自分の感情や思い・考えを押
さえ込まずに「自分らしく」
表現できて,受け止めてもら
えた状態」は,グリーフサ
ポートは「大切な人を亡くし
たことなどによる「喪失体験」
からくる深い悲しみや心の痛
み(グリーフ)に寄り添い,
その人が自分らしい方法で悲
しみと向き合い,立ち直れる
ように支えること」です。初
めてこれらの言葉を聞きまし
たが,「喪失体験」があるとき
の対処の仕方として,これら
の団体のお世話になることが,
必要な時があるかもしれません。