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表札のない家
皆様 お元気ですか 元校長で
社会福祉士のノブちゃんです。
最近幾つかの家を訪問する
機会がありました。その際,
表札のない家,ローマ字表記
の表札,門扉に錠のある家,
郵便ポストに錠のある家があ
りました。これらの家では,
そこの方に,会うことはでき
ませんでした。
表札についてネットで調べ
ると,郵便配達のために,大
正時代に始まった日本独自の
文化とあります。個人情報の
保護,防犯上,最近は表札を
出さない家庭が多くなってい
るようです。表札は,誰が住
んでいるかを明らかにするも
のであり,家の「顔」とも言
えるものです。訪問者への案
内役としてだけでなく,防犯
対策や風水的な意味合いで家
の運気を左右する重要な役割
を持っているようです。ちな
みに,私が,昭和54年シカゴ
に留学したとき,アパートに
表札はなく,玄関の扉に数字
があったようでした。
表札についてまとめると
①表札は日本特有の習慣で,
大正時代から主流になった
が,最近ではプライバシー
を重視して掲げない家庭も
増えてきた。②表札を出す
ことは郵便物の誤配が減る
だけでなく,地域間のコ
ミュニティが円滑になった
り、自分の家に愛着を持て
たりするなどのメリットが
ある。③表札を出すことで
個人情報が漏れやすく,不
審者やセールスなどに目を
つけられる可能性があると
いうデメリットも考えられ
るようです。
個人情報保護という面か
らとらえてみると,個人情
報とは「氏名,生年月日,
住所,電話番号等,特定の
個人を識別できる情報」全
般を指し,単独で特定でき
ない情報も,他の情報と照
合して特定できる場合は,
個人情報に含まれるようで
す。表札も個人情報を特定
する情報の一つにはなるよ
うです。
昔は引っ越しをすると
「向こう三軒両隣」をあい
さつして回り,コミュニティ
の一員としてよろしくとい
うのがありましたが,今は
一戸建てでも「隣は何をす
る人ぞ」という状態であい
さつ回りをしない家庭もあ
るようです。
このように集団より個と
いう考えの方が増えている
のか,集団での活動が難し
くなってきている状況があ
り,地域コミュニティの希
薄化が顕著です。地域コ
ミュニティは,平常時にお
ける定期的な防災訓練の実
施,住民の防災意識や災害
時に向けた準備の喚起等に
大きな役割を果たすととも
に,災害時においては,災
害発生直後の住民の安否確
認,初期救助活動,情報の
伝達,避難所の運営,被災
した住居を狙った窃盗等を
防ぐための住民による見回
り等に重要な役割を果たし
ています。実際に,平成7年
の阪神・淡路大震災では,
倒壊した家屋等に閉じ込め
られ救助された人々の多く
は,救助隊員等のほか,家
族や近所の住民によって救
助されたそうです。
地域がお互いにつながり
のある場所として機能して
いくには,どうしたらよい
か大きな課題があるような
気がします。