しばらく前にAmazonプライムで
「パパはわるものチャンピオン」
という映画を見てから
プロレス熱が再発しています。

この映画は現役プロレスラーの
棚橋弘至選手が主演で
子役の寺田心君の演技が素晴らしい
感動大作なのですが

ストーリーは

かつて父はプロレス団体のエースとして
将来的に看板を背負って立つのは
間違いないと目されていたものの
試合中に膝を負傷してしまい
復帰後は悪役レスラーとして
ファンからブーイングを
浴びる存在になっていた。
父の職業を教えてもらえない息子は
ある日こっそりと父の後を付けて行き
いかつい男どもがたむろする会場に
辿り着いてしまう。
息子はそこがプロレス会場だと知って潜り込み
大好きな同級生の女の子と
プロレス観戦をすることになる。
その女の子の推しであるイケメンレスラーの
対戦相手
あらゆる卑怯な反則技を使って
女の子から見下される
「ゴキブリマスク」が
顔こそ見えないものの
自分の父であると気付くのである。

という感じです。

これを見ると
害虫と呼ばれるものにだって
大事な役割があるのではないか
と考えさせられますよ。
あなたがゴキブリを見かけると
叩き潰す「理由」は何ですか？
ゴキブリは悪者でしょうか？

【発熱はウイルスと闘っているのか】

最近では普通の医者でも
「熱が上がっているのは
悪いウイルスや菌と
闘っている証拠なのだから
むやみに下げない方がいい」
という説明をすることは
多いのではないでしょうか。

いわゆる自然派医療を推進している人とか
代替医療の治療家でも
そのような表現をする人が
殆どのような氣がします。

「発熱は自分の身体を守る正義の味方」
「ウイルスは熱でコロされるべき悪者」

前者は概ね同意しますけど
後者はそうではないと思うんだなぁ。

【人間の免疫機能とは】

人間や動物が外敵から体を守る機構のことを
「免疫」と呼ぶわけですけど
「災いをまぬがれる」という意味です。
免疫機能の構成は非常に精巧で緻密で複雑です。

ごく大ざっぱに言うと
皮膚や粘膜で最初の防御を行い
そこを突破されたら自然免疫で
白血球などの歩兵が対応し
さらには獲得免疫で特定の武器を得て
使えるようになる
みたいな何重もの防衛システムです。

現代医学的に観察すると
明らかに防衛・攻撃を
行っているように見えます。

当然「闘い」の側面もあるのですが
風邪の発熱のような場合には
「ウイルスとの共同作業」
を行っているのではないでしょうか。

【ウイルスも必要な役割を果たしている】

『内なるドクター』の重要な一員たる
免疫系は、ある種のウイルスや菌の力を借りて
熱を出していることも多いと考えられます。

『内なるドクター』は時に発熱を欲する。
（意味がよく分からない人は過去メルマガを
参照ください。まだバックナンバー見られます。）

アントニオ猪木が毎週土曜のゴールデンタイム
（長崎ではこの日時でした）で活躍していた頃
プロレスは「ガチ」の勝負だと考えられていました。
（少なくとも子供のわたしはそう思っていた）
しかし今はプロレスが「ガチ」の闘いだと
信じている人は少ないでしょう。
最近ではプロレスという単語は
「裏で筋書きが決まっている茶番」のような意味で
使われることも多くなっています。
（国会での与党と野党のやりあいは所詮プロレスだ、みたいな）

たしかにプロレスの技は相手の協力がないと
どう考えても成り立たないものも多い。
棚橋選手のハイフライフローも
武藤選手のムーンサルトプレスも
対戦相手はトップロープに登って飛んでくる
彼らを待ってくれています。
普通に考えれば
気を失っているわけでもないのに
それをよけられないわけはない。

試合中は殴り合い蹴り合い技をかけ合い
最後は立ち上がれないくらいになるまで
やり合うわけです。
試合前や試合後はマイクパフォーマンスで
けちょんけちょんに相手をけなしたりもする。
しかし彼らは、本当は敵同士ではないわけです。
試合後は一緒に飲みに行ったりしているはずです。

だからと言って、プロレスに
価値が無いわけではない。
今でも熱狂的なファンいっぱいいるし
YouTubeでも多くの視聴者がいて
試合を楽しんでいます。
長州力も蝶野正洋も
自分のチャンネルを開設し
大人気です。

なぜ敵でもないのに闘うのか？
強さの表現をする方法であり
自らの糧や収入のためでもあり
お客さんに楽しんだり感動したり
してもらうためでしょう。

ある程度の筋書きがあると分かっていても
素晴らしい試合を観ると泣けるんですよ。
それを観て生きる力にする人もいるんです。

そして、そこには悪役も必要なのです。
ベビーフェイスとヒールがいるからこそ
盛り上がる、というのは
今も昔も変わりません。

プロレスの例えが長くなりましたが
外から観察すると闘っているように
しか見えない現象も
実は共通の目的のために
働いているのではないか
ということを強く感じるのです。

今日の内容をまとめると
わたしはプロレスとウイルスが
好きだ！ということです（笑）