自然派ドクター 髙野弘之

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160.お前に『全て』を売ってやる

映画館に足を運ぶことが
あまり無いのですが
これまでの人生で
映画館で2回見た作品が
2つだけあります。
「ラストサムライ」と
「さや侍」です。

【武士の本懐】

どんだけサムライ好きなんだって
話ですけど
「ラストサムライ」は
2003年に封切られており
トム・クルーズ主演の
ハリウッド映画ながら
渡辺謙の存在感が
話題になった作品です。

この映画の中で
小雪演じる「たか」は
渡辺謙「勝元」の妹で
トム「オルグレン」に
夫「ひろたろう」を殺されてしまいます。

勝元に捕らえられたオルグレンは
たかと一緒に生活することになります。
最初は彼を蛇蝎のごとく嫌っていた
たかでしたが、勝本に命じられて
オルグレンの世話をするうちに
心を許していきます。

そしてオルグレンが勝元と共に
新政府軍との闘いに出て行く前の晩
2人きりで会話をします。

「アイムソーリー…
ユアハズバンド
ヒロタロウ…」

「あの人は武士としての
本懐を遂げました。
あなたも、あなたの
すべきことをしただけです」

とても良い場面なのですが
これをDVDの英語字幕で見ると

「He did his duty.
You did your duty.」

字幕なので文字数の制限もあるから
仕方ないのかもしれませんが
言葉のニュアンスは
全然伝わりませんよね。

「武士としての本懐を遂げる」
素敵な言葉だと思います。

全部思い出しながら書いており
細かい部分の確認をしていないので
完全に正確ではないかもしれませんが
大体合ってると思います。
DVDも買って
10回以上は見ているので笑

【松っちゃんの映画】

「さや侍」は
2011年に公開された
松本人志監督の第3作目の映画です。

刀を捨て、鞘だけを持って
無断で脱藩したため賞金首と
なりながら一人娘と共に
流浪の旅を続けていた武士。
ついに追っ手によって捕らえられた彼は
切腹を命じられますが
その藩のお殿様は
ある条件をクリアすれば
無罪放免にすると約束します。
その条件とは
母君を失った悲しみで
笑顔をなくした若君を
一日一芸で30日の間に
笑わせられればよい、と
いうものでした。

そこから1ヵ月間にわたって
娘の協力も得ながら
さや侍の奮闘が始まります…

酷評や低評価も非常に多い映画
だったのですが
わたくしにとってはものすごく
楽しめたし感動する映画でした。

映画館で、めめぐり最後は大泣きしました。2回とも。

https://youtu.be/QvNWCm1mxzs
(父から娘へ〜さや侍の手紙)

今からこの映画を見てみようかなと
思う人は上記の動画は見ないでほしいですし
ここからの文章も読まないでほしいのですが
YouTubeでこの動画を見つけた時は
また泣きました。

【日本人の死生観】

「巡り 巡り 巡り 巡って
あなたが 父の子に 産まれたように
巡り 巡り 巡り 巡って
いつか 父が あなたの子に 産まれるでしょう
巡り 巡り 巡り 巡って
ただ それだけですが それが全てです」

めぐり巡ってというのは
武士の、日本人の、本来持ち合わせていた
大切な人生観であり死生観だと感じます。

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