自然派ドクター 髙野弘之

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143.『魔』の海を越えて

わたくしの唯一の著書である
「母子手帳のワナ」の最後の章が
“世渡りをするうえで大切なこと”
というタイトルなのですが
その中で児童相談所を伏魔殿に例えて
注意を促しています。

【伏魔殿】

魔物が住んでいる宮殿。
転じて、悪事や陰謀を企む
組織や施設のこと。

児童相談所が悪の組織だなんて
それこそ陰謀論ではないかと
思われる人も居るかもしれませんけど
言いがかりを付けられて
子供を連れ去られている例は
枚挙に暇(いとま)がないのです。

体重が順調に増えないが
母乳だけで育てたいとか

離乳食を常識的な時期から
始めていないとか

あんまり病院に行かないとか

予防接種を受けていないとか

それ自体は全く問題ない
(むしろ子供のことを思って
理想を追求している)のに
自分らが決めたワクに
はまっていないから、
という理由で拉致されて
なかなか返してくれない、
ということがあり得るのです。

【こわがる必要もないのです】

だからといって
ワクチンを射っていないだけで
連れていかれるんじゃないか?
という不安を抱く必要もありません。

やるべきことは
ちゃんとやっている
ということが伝われば
体重の増え方や
ワクチン云々だけで
連れ去られることは
ありませんから。

乳児健診と一歳半健診と三歳健診は
受けておいたほうがいいですし
もし受けないとしたら
成長発達やワクチンに関しては
うちのクリニックみたいなところで
相談のうえ対応しているし
接種も検討して見合わせている
ということを表明すればいいのです。

【知らなきゃよかった?陰謀論】

世の中の様々な陰謀論みたいなものも
そうだと思うのですが
そんなこと知らなくても
いいんじゃないかとか
知らなきゃよかったと
感じることもあるでしょう。

しかし世界は陰と陽で成り立っている。
光のあるところ必ず影があります。
光だけを見て生きていくことはできないし
影の部分を知っておくことも必要でしょう。

【シュバイツアーの言葉】

おなじみ「内なるドクター」の名言で
いつも紹介しているドイツの医師
アルベルト・シュバイツァーが言った
とされる、次の格言を
「母子手帳のワナ」最終章に載せています。

『楽観主義者には青信号しか見えていない
 悲観主義者には赤信号しか見えていない
 しかし賢者には両方の信号が見えている』

この言葉、どうも誤訳だったようなのです。
原文を見ると下記のようになっています。

An optimist is a person who sees
a green light everywhere, while
a pessimist sees only the red stoplight…
the truly wise person is colorblind.
『楽観主義者は何処でも青信号ばかり見ており
 悲観主義者は赤信号しか見えていないが…
 真の賢者は色盲である』

最初は意味が分からなかったのですけど
こちらのほうが奥が深いし味わい深い。

つまり、どんな事象であっても
色を付けるのは自分の心だ
ということでしょうか。

陰であっても陽であっても
捉え方は人それぞれであり
絶対的な悪も絶対的な善も無い。
自分にそう見えたから青だとは限らない。

柔軟な発想を大切にして
あるがままの自分で生きていく
っていうのが良いのでしょうね。

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