自然派ドクター 髙野弘之

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禁じられた『罪』をおかす(2)

今年の冬はロタとかノロとか
流行るんでしょうか?
体調が悪いと全部コロナに
カウントされそうなので
インフルエンザやロタ・ノロは
相当少なくなるんじゃないですかね?

例年に比べて患者数が激減しても
それは別に
皆がマスクしたり消毒したりして
感染対策を徹底してるから、では
ないですからね!

【止瀉薬】

ロぺミンって下痢止めが
あるんですけど
普通の医者の世界でも
下痢で出そうとしているもの
を止めるのはマズイってことで
少なくとも2歳未満の小児に
使うことはタブーとされています。

しかし、ちらほら
処方されている例を見かけます。

いくら製薬会社とズブズブでも
その製薬会社が作っている添付文書に
「禁忌」として記載されていること
くらいは守れよ、と思うのですが。

「絶対禁忌」と「相対禁忌」があり
ロぺミンの「絶対禁忌」が
6ヵ月未満の乳児であり
「相対禁忌」が
6ヵ月以上2歳未満の乳幼児です。
「相対禁忌」とはいっても
よっぽどの理由がなければ
使ってはいけないのです。

ロペラミド(ロぺミン)の
添付文書を引用してみます。

~~~以下引用~~~

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】

(1)出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌(O-157等)や
赤痢菌等の重篤な感染性下痢患者では、症状の悪化、治療期間
の延長を来すおそれがある。]
(2)抗生物質の投与に伴う偽膜性大腸炎の患者[症状の悪化、
治療期間の延長を来すおそれがある。]
(3)低出生体重児、新生児及び6カ月未満の乳児[外国で、
過量投与により、呼吸抑制、全身性痙れん、昏睡等の重篤な
副作用の報告がある。]
(4)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

【原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが、
特に必要とする場合には慎重に投与すること)】

(1)感染性下痢患者[治療期間の延長を来すおそれがある。]
(2)潰瘍性大腸炎の患者[中毒性巨大結腸を起こすおそれがある。]
(3)6カ月以上2歳未満の乳幼児

~~~引用終了~~~

何歳であっても「下痢止め」は
使わない方が無難です。
ビオフェルミンとか
ラックビーとか
ミヤBMとかいうような
「整腸剤」は使ったって
かまわないかと思います。
(それほど効果もなさそうですが)

上記の添付文書にも載っている
O-157という大腸菌で
食中毒が起こって
お子さんが亡くなった
というようなニュースが
流れることがありますが
O-157はそれほど強力な
怖い菌というわけでもないのです。

感染症を起こした時に
下痢止めを使ってしまうことで
こじれて尿毒症や脳症に至ってしまう
というパターンが多いのです。

新型コロナであれ
インフルエンザであれ
ロタやノロであれ
O-157であれ

ウイルスや菌は
それほど怖くない。
しなくていい治療や
使わなくていい薬の方を
しっかり警戒すべきです。

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