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62【すーさんの学校】靴は出船にそろえる
知らなかったことを知るということは、勉強になります。
数年前の話になりますが、知り合いの人達と話をしていたら、靴の話しになりました。
靴のそろえ方の歴史でした。また、新しい引き出しをふやすことができました。
~玄関で靴を脱ぎます。~
〇 家に背を向けないように、前を向いて脱ぐ・・・「入船」
〇 靴の向きを玄関の外に向けなおして置く・・・「出船」
つまり、靴は入船で脱ぎ、出船に揃えるのがマナーです。
この時、自分のお尻を家の方に向けないようにします。
めんどくさいからといって、後向きに上がってはいけません。
この出船に靴を並べるのは、戦国時代の茶室の作法(茶道)に由来しているそうです。
茶室というのは別世界の意味があり、部屋自体も小さいですが、その入口は幅・高さとも60cmくらいという小ささ。
これを「躙口(にじりぐち)」といいます。「にじる」とは「にじり寄る」と使うように、両拳(こぶし)をついて膝で進むような動き方のこと。
時代劇でよく見かけます。
なぜこんな入りにくい小さい入口かというと、
・外界の穢れを落とす
・地位・身分の高い人も頭を下げさせる
・武士は刀を差したままでは入りにくい
という目的があるそうです。
こんなに小さい入口なので、いざというとときすぐ出られるように、履物は出船でそろえるようになったそうです。
では、脱いだ靴を靴箱に入れるときはどうでしょう。
学校など集合下駄箱に入れるときは靴のかかとに名前を書く都合があったりする場合は、かかとを手前に入れることが多いでしょう。
しかし、これは「出船マナー」的には間違いです。
靴箱に入れるときは、つま先を手前にして入れます。
これは、靴箱が一つの小さな玄関です。
つまりの奥が中、手前が外に当たるので、つま先を手前にすることが「出船」になるからです。
靴はかかとよりもつま先に特徴がありますから、つま先を手前にするほうが自分の靴がどれなのかわかりやすいというメリットもあります。
また、靴の中が見える気分も良くないですよね。
同様に、脱いだ靴を壁に寄せる場合も、壁側にかかとがくるように、つまり壁を背にして靴をおきます。
これが出船になります。
見た目にもこちらのほうが美しいでしょう。
〖ホームページ 『週間マナー美人』参照〗
歴史に学ぶという言葉がありますが、これも、その一つだと思います。
靴を並べることを教えるのは、親の躾です。
もちろん、心で揃えて、手で並べることも忘れないように・・・