東京動物アレルギーセンター

mail magazine backnumber

メールマガジン バックナンバー

第66話 腸内細菌を封鎖せよ!〜腸内細菌と病気の関係〜

第66話 腸内細菌を封鎖せよ!〜腸内細菌と病気の関係〜

腸内に住んでいる細菌が、たくさんの病気の病態や感染防御に重要な役割を担っていることが明らかになっていて、それは腸内細菌の割合の変化(dysbiosis)が深く関わっていることも明らかになってきている。

例えば胃潰瘍の原因はピロリ菌だと1983年に報告され、さらに胃がんもピロリ菌が原因であるとわかってきたが、当時はかなりの研究者達が否定的であったように、病気の病態と腸内細菌叢が関係していることはなかなかイメージがついてこないのは無理ない。さらに関節リウマチ患者の一部では、腸内にコプリ菌(Prevotella copri)が多く存在することがわかっている。さらに虫歯菌(ミュータンス菌)は血管に乗って脳へ行くことで脳出血(脳卒中)の原因になると疑われている。

ディスコやクラブが若い男女が出会う場所になっているように、腸は病原体(敵)と免疫細胞(戦闘部隊)が出会う場所になっている。健康であれば腸管内にはマクロファージ(特殊部隊)、T細胞(陸軍)、B細胞(海軍)、樹状細胞(空軍)など強烈な免疫細胞(軍隊)が配備されている。
これらの免疫細胞(軍隊)は、他の免疫細胞(軍隊)と連携して多数のサイトカイン(警報)を鳴らして腸管の警備にあたる。
実際には侵入した病原体(敵)に反応して免疫細胞(軍隊)を動員し総攻撃を仕掛けるアクセル(炎症誘発性反応)とブレーキ(抗炎症性反応)のトリッキーなバランスで成り立っている。このバランスが崩れると、無害な敵に対して暴動を起こしたり、逆に敵を制圧しきれずに戦いに敗れる結果となる。
コロナウイルス(SARS-CoV-2)やインフルエンザウイルス感染時には、警戒レベル(炎症誘発性サイトカインのレベル)が上昇し、免疫細胞(軍隊)が動員されて肺などの組織が戦場(間質性肺炎)となり壮絶な戦いが繰り広げられる。ウイルスが免疫細胞(軍隊)によって制圧されると警戒レベルは低下し”撤収”となる。ところが免疫ブレーキが故障して”やり過ぎ”の状態がサイトカインストームだ。つまり警報(サイトカイン)が鳴り続け、嵐(ストーム)のように全身に炎症反応が起こったヤバイ状態だ。

踊る大捜査線の青島刑事の名言「事件は会議室で起きてるんじゃない。 現場で起きてるんだ!」 をパクるならまさに「事件は腸管で起きてるんだ!」



あとがき
このメルマガのコンセプトは、「診察室では話しきれない情報を伝える」で、「ヒトとペットの健康に関わるイケてる研究論文を独断と偏見でピックアップしておじいちゃんでも理解できる言葉で噛み砕いてわかりやすく表現すること」にコミットします。情報量がかなり多くて1度読んだだけでは100%の理解は難しいと思います。仮に10%しか理解できなくても次に読んだり聞いたりした時に点と点が繋がって線になる時がいつか来るので心配しないで下さい。
特に腸内細菌と口腔内細菌と皮膚細菌にググッとフォーカスし、鋭くザクッとメスを入れます。特に免疫細胞の70-80%が配備されている腸管は脅威となる病原体との主戦場となる。動物病院でアレルギーのペットを毎日診断・治療して、課題はやはり「慢性炎症のコントロール」と「フリーラジカルの制御」だと考えています。
有効な菌を与え(プロバイオティクス)、その菌を育てる(プレバイオティクス)ことで腸壁に住む細菌のアンバランス(dysbiosis)を元に戻すと痒いという症状が結構改善していく動物たちを目の前でみて、やはりそのキープレイヤーとなるのは菌だと感じています。
口から入り胃を通過して腸管内を移動し、定住せず短期間だけ“宿泊”し、腸管の動きに合わせて移動しながら、その一瞬一瞬で任務を全うして勇敢に戦死するビフィズス菌や乳酸菌。
実際に決定打となり裏打ちする研究結果がはっきりとそれを証明している。特に脅威となる皮膚のブドウ球菌や口腔内のグラエ菌に対して殺菌という空爆で有用菌まで爆撃することのないように静菌制御して、一生懸命育てた菌の邪魔をしない世界を目指します。
そんな想いを高速道路サービスエリアに設置されて、「コーヒールンバ」の曲にのせてプチ贅沢なコーヒーが出来上がるまでの時間でも読めるくらいにギュッとコンパクトにまとめて発信します。この記事が誰かの目に留まり、アレルギーで痒がる世界中のワンちゃんと猫ちゃんへの恩送りとなりますように…

文責
川野浩志(獣医学博士)
日本獣医皮膚科学会 認定医
藤田医科大学医学部 消化器内科学講座 客員講師
東京動物アレルギーセンター
九州動物アレルギーセンター
福岡動物アレルギーセンター
名古屋動物アレルギーセンター
.................................................
【当店オススメ商品】
◆愛犬・愛猫用「高機能プレバイオティクス/高純度ケストース100」腸内環境改善でアレルギー改善‼
https://tsuku2.jp/ec/viewDetail.php?itemCd=70250028092506

◆ 犬猫用キヌアビスケット5個セット(スティックタイプ)/グルテンフリー・カゼインフリー・シュガーレス・トランス脂肪酸0・アレルゲンフリー‼
https://tsuku2.jp/ec/viewDetail.php?itemCd=20001802028206

◆ 犬猫用キヌアビスケット10個セット(スティックタイプ)/グルテンフリー・カゼインフリー・シュガーレス・トランス脂肪酸0・アレルゲンフリー‼
https://tsuku2.jp/ec/viewDetail.php?itemCd=22088162420020

━━━━━━━━━━━━━━━━━
★Instagram
東京動物アレルギーセンター(https://taac.jp
・公式Instagram : https://instagram.com/t.animal.allergy.center
九州動物アレルギーセンター(http://www.pal-animal.com
・公式Instagram :https://www.instagram.com/k.animal.allergy.center/
福岡動物アレルギーセンター (http://live-ac.com)
・公式Instagram :https://www.instagram.com/f.animal.allergy.center/
名古屋動物アレルギーセンター(http://www.mizuno-ac.jp)
・公式Instagram :https://www.instagram.com/n.animal.allergy.center/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
辻安全食品
◇Instagram
https://instagram.com/tsujianzen
◇Facebook
http://www.facebook.com/tsujianzenshokuhin
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


メールマガジン バックナンバー

過去にお送りしたメールマガジンをバックナンバーとして公開しています。

メルマガを購読する