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第35話  腸内細菌のレジリエンスを強化する方法

第35話  腸内細菌のレジリエンスを強化する方法

腸内細菌の乱れと病気
・腸内細菌が乱れると病気になるというエッジの効いた論文が爆発的に増えています。
・腸内細菌が乱れるこをディスバイオーシスと言います。
・ディスバイオーシスになるとアトピー、うつ病、動脈硬化、大腸ガン、肥満などの病気と関連することがわかっています。
・腸内細菌のバランスが乱れても元に戻ろうとする力をレジリエンス(Resilience)と呼ぶ。
・腸内環境にとって最適なバランスは「善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7(レジリエンス が安定した状態)

では、腸内環境を改善するためにはどうしたらよいか?
1)プロバイオティクス:生きた菌を摂取
2)プレバイオティクス:腸内の菌のエサを摂取

腸内環境にも血液型のようなもの(エンテロタイプ)があり、腸内細菌叢の特徴は個人個人で様々なので自分の腸内環境に適したプロバイオティクスを探すのはかなり難しいです。
そこで、まずは「自分の腸内にいる良い菌を増やす」ことが大切。

プレバイオティクスも様々なものあるけど、2016年に「International Journal of Food Sciences and Nutrition」という雑誌に掲載された論文で、

ケストース、ニストース、フラクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、キシロオリゴ糖(XOS)、イソマルトオリゴ糖(IMOS)、ラフィノース、ラクトスクロースという8つのオリゴ糖で腸管内の乳酸菌をどれだけ増やせるかコンテストをしたところケストースが初代チャンピオンになりました。
つまり、ケストースは善玉菌を効果的に増やすプレバイオティクスの代表格であり、AKB48で例えると「善玉菌を増やすプレバイオティクス総選挙の神7」だってことです。

さらに2020年に出されたケストースの効果をまとめた「Impact of kestose supplementation on the healthy adult microbiota in vitro fecal batch cultures」という論文で、7人の健康な人のウンチにケストースを混ぜたらどうなるか?を調べたら

・ケストースを混ぜたウンチでは酢酸と酪酸が増えた(何も混ぜなかったら酢酸と酪酸は変わんかなった。)
・ケストースを混ぜたウンチでは悪玉菌の大腸菌が減った。

つまり、ケストースは
・ビフィズス菌、乳酸菌だけでなく、酪酸生産菌も増やす。
・ビフィズス菌が増えると乳酸と酢酸を出す。
・酢酸が増えると、酢酸をパクパク食べて酪酸を出す乳酸菌(酢酸資化性酪酸産生菌)が増える。
・酪酸産生菌が増えると酪酸と酢酸が増える。
・酪酸を作り出せる腸内細菌は酪酸菌(Clostridium butyricum)だけ
・酪酸菌(Clostridium butyricum) はビフィズス菌と乳酸菌の発育を助ける
・クローン病や潰瘍性大腸炎などの患者さんでは、腸内における酪酸の産生が少なく乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が健康な人と比べて少ない(Gut. 2004. J Gastroenterol. 2012)
・酪酸菌が作る酪酸が大腸のエネルギー源として働くから、乳酸菌やビフィズス菌は腸管内で元気に生きていける。
・つまり大腸が正常に機能していくためには酪酸は必要不可欠な”ガソリン”
・酪酸が増えると制御性T細胞(Treg)が元気モリモリになる。
・制御性T細胞が元気モリモリになると抗炎症効果(IL-10産生)が働き、小腸をガンガン動かしてくれるし、暴走するアレルギーのブレーキにもなる。
・元気があれば何でもできる(by アントニオ猪木)

健康であるための課題はスバリ2つ
1)腸内細菌叢のディスバイオーシスを改善する
2)回復する力であるレジリエンスを強化する(腸内細菌叢の多様性が高いほどレジリエンスは上がる)

つまり
・ヒトは、健康を維持するために腸内細菌というアーマー(よろい)に守られている
・いわば、ヒトは腸内フローラというアーマー(よろい)に守られた風船。
・例えば何か外界からの刺激があるとそのアーマーが柔軟性を発揮して私たちを守ってくれる
・レジリエンス(復元力、回復力)があれば病気にならない
・レジリエンスを越える変化が体に起こった場合、生体へ影響がでる。
・例えば「歯周病菌も殺菌することで腸内細菌も死ぬ」つまり「悪い菌を殺すのではなくバランスを取るための加菌」が重要
・例えば、化粧水の防腐剤は善玉菌でお肌に潤いを与えてくれている表皮ブドウ球菌を殺している。

結論
健康で毎日ハッピーに過ごすためには、
1)腸内細菌叢のディスバイオーシスを改善し、
2) 回復する力であるレジリエンスを強化するため

「良い菌」と「菌のエサ」を毎日とる(プロバイオティクスは、絶対に定着はしないので飲んでいれば効果が期待できるし、やめれば効果は期待できなくなる)

できればあなたにとって“神7”となる有用なサプリメントを服用して、快適な毎日がすごせますように・・・

あとがき
このメルマガは、「診察室では話しきれない情報を伝える」で、「ヒトとペットの健康に関わるイケてる研究論文を独断と偏見でピックアップしておじいちゃんでも理解できる言葉で噛み砕いてわかりやすく表現すること」にコミットします。
特に腸内細菌にググッとフォーカスし、鋭くザクッとメスを入れます。動物病院でアレルギーのペットを毎日診断・治療して、ペット合ったオーダーメイドの乳酸菌を飲むとによって腸内の細菌のバランスを元に戻してあげることによって痒いという症状が改善していくの目の前でみて、やはりカギとなるのは菌だと感じています。そんな想いを高速道路サービスエリアに設置されて、「コーヒールンバ」の曲にのせてプチ贅沢なコーヒーが出来上がるまでの時間でも読めるくらいにギュッとコンパクトにまとめて発信します。この記事が誰かの目に留まり、アレルギーで痒がる世界中のワンちゃんと猫ちゃんへの恩送りとなりますように…

東京動物アレルギーセンター 
センター長 
日本獣医皮膚科学会認定医
獣医学博士 川野浩志


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