第43話　地球上で1番軽い物質である水素が活性酸素を消去する理由

ヒトも犬も猫も呼吸をすることで体内に酸素を取り込んで生きています。口から吸い込んだ酸素は肺で血管の中に飛び込み、赤血球という運送トラックに乗って全身の細胞に運搬されます。
また、食べたタンパク質や脂肪や糖質を燃やし得て生きて行くためのエネルギーを作っていますが、その時に酸素を使います。その余った酸素が活性酸素のもとになります。実際にエネルギーを作る工場は細胞の中の「ミトコンドリア」です。エネルギーを作る過程で同時に約2-3%の活性酸素(ROS)ができちゃいます。つまり工場でエネルギーを作る燃えかす（排煙）が活性酸素です。なので普通に生活していても活性酸素はできてしまいます。

活性酸素は無差別テロのように色々なものを傷つけます。DNAが傷つくとその細胞が増えるとガンになります。傷ついた細胞の多くはガン細胞になるくらいなら自殺すると行って死んで行きます。この繰り返しが老化です。

じゃあ、どんな時に活性酸素ができるか？といえば一般的に

・タバコ
・紫外線
・食生活の乱れ
・心理的ストレス
・激しい運動
・食品添加物
・残留農薬
・電磁波（電子レンジ、スマートフォンなど）
・放射線など

これらの活性酸素と戦う仕組みが２つあります。
1)体内に配備されている抗酸化酵素：SOD（40代から急激に減っちゃうよ）、カタラーゼ、グルタチオン
2)体外から取り入れる抗酸化物質：新鮮や野菜や果物など食べて活性酸素を撃退。
その他
・コエンザイムQ10
・αリポ酸
・アスタキサンチン
・ビタミンC/E:アセロラ、ケール、パセリ
・セレナ：マグロ、ブリ、イワシ
・ポリフェノール：玄米、豆、醤油、ショウガ

次に、活性酸素が出来るとどうなるか？ということをおじいちゃんでもわかるように一言で説明すると「サビる」。体内にもともと標準装備されている抗酸化能力が減っちゃうと活性酸素による酸化ストレスでガンや糖尿病、動脈硬化などさまざまな病気や老化に関与することが多数の論文で報告されています（Bagul, P.K et al 2013）。つまり活性酸素は老化と病気の原因なんです。もっというと老化の原因はサビ（酸化）とコゲ（糖化）です。つまり、活性酸素が細胞や遺伝子をドカンと攻撃して破壊するので体がサビるん（=酸化）です。だからサビ（酸化ストレス）をほったらかしにておくと疲労、病気や老化の症状を引き起こします。実際に病気の原因の90％はサビ（酸化ストレス）が関わってるんじゃないの？って言われています。

女子的にはシワやシミ、くすみなどの原因は活性酸素だってことがわかっています。皮膚が紫外線を浴びると普通の酸素は一重項酸素という強力な悪玉活性酸素に変貌しちゃいます。この一重項酸素の酸化力はラスボス的存在のヒドロキシラジカルの次に強力で、メラニン細胞を刺激してメラニンを増やすのでシミになるよ。メラニンは、本来は紫外線を浴びると紫外線を防ぐためメラニンを作って体を守るという大切な役割があるんです。紫外線によって作られた一重項酸素は皮膚の張りを保つコラーゲンを作る線維芽細胞って細胞を攻撃するから皮膚の張りが弱くなってシワの原因になるってわけ。

つまり
・皮膚の細胞がサビれば、皮膚の病気（しみ、シワ、くすみやアトピー性皮膚炎など）
・血管の細胞がサビれば、血管の病気（動脈硬化→脳梗塞、心筋梗塞）

活性酸素は全て悪いものではなく、良い活性酸素と悪い活性酸素があります。

第1の活性酸素）スーパーオキシド（善玉活性酸素）
・体内に細菌やウイルスや有害物質が侵入してきたら速攻で迎撃する。しかも大量に発生する。

第2の活性酸素）過酸化水素（善玉活性酸素）
・スーパーオキシドからの反応で体内でも常に発生している。
・これを薄めたのが消毒薬のオキシドール。

第3の活性酸素）一重項酸素（悪玉活性酸素）
・紫外線などの光の刺激により皮膚や目に発生する。
・肌にハリを保つコラーゲンやみずみずしさを保つヒアルロン酸の鎖を切断するから肌がたるみ、カサカサしてシワが増える。

第4の活性酸素）ヒドロキシラジカル（悪玉活性酸素）
・体内に配備されたヒドロキシラジカルを撃墜する抗酸化酵素はない。
・過酸化水素がさらに反応して発生するラスボス。
・正常な細胞や遺伝子を手当たり次第にガンガン攻撃する。
・強い酸化力で体をサビさせて老化や病気にしちゃう。

じゃあどうしたらいいか？
水素が悪玉活性酸素である細胞中のヒドロキシルラジカル(·OH)やペルオキシナイトライト(ONOO−)など酸化力が強く老化や病気の悪化に関係する活性酸素を除去することことが2007年の米国医学誌ネイチャー・メディシンに掲載されました。つまりヒドロキシルラジカル(·OH) やペルオキシナイトライト(ONOO−) と言った悪玉活性酸素を除去できるのは水素だけです。なんと生理学的な役割を持つ他の活性酸素(善玉)には反応しないところがさらにスゴイ。

オクト社の量子イオン水もヒドロキシル ラジカル(·OH)やペルオキシナイトライト(ONOO−)だけを選択的に消去して他の善玉活性酸素には影響しない。

オクト社の量子イオン水がなぜ放置しても空気中抜けないか？という質問をよく受けますが、その答えは、この量子イオン水は水素の同位体である重水素（デューテリウム）が溶けているからです。つまり、軽水（H20）と重水(D20)の違いです。
親孝行としてご両親へのプレゼントに是非どうぞ！
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あとがき
このメルマガは、「診察室では話しきれない情報を伝える」で、「ヒトとペットの健康に関わるイケてる研究論文を独断と偏見でピックアップしておじいちゃんでも理解できる言葉で噛み砕いてわかりやすく表現すること」にコミットします。
特に腸内細菌にググッとフォーカスし、鋭くザクッとメスを入れます。動物病院でアレルギーのペットを毎日診断・治療して、ペット合ったオーダーメイドの乳酸菌を飲むとによって腸内の細菌のバランスを元に戻してあげることによって痒いという症状が改善していくの目の前でみて、やはりカギとなるのは菌だと感じています。そんな想いを高速道路サービスエリアに設置されて、「コーヒールンバ」の曲にのせてプチ贅沢なコーヒーが出来上がるまでの時間でも読めるくらいにギュッとコンパクトにまとめて発信します。この記事が誰かの目に留まり、アレルギーで痒がる世界中のワンちゃんと猫ちゃんへの恩送りとなりますように…

文責
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川野 浩志(獣医師 獣医学博士)
日本獣医皮膚科学会 認定医
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