東京動物アレルギーセンター

mail magazine backnumber

メールマガジン バックナンバー

第34話 犬と猫の下痢と腸内細菌

第34話 犬と猫の下痢と腸内細菌

ワンチャンや猫ちゃんのお腹の調子が悪い時は腸内細菌のバランスが乱れる(ディスバイオーシス)ことが証明されています。特に犬の場合、急性でも慢性でも腸管の炎症は腸内細菌叢の組成に明らかに違いが出ることが報告(Rachel Pilla et al. 2020)されています。
 
犬の急性下痢(AD)では、ブラウチア属(Blautia spp)、ルミノコッカス属(Ruminococcus spp)、フェカリバクテリウム・プラウニツィイ(Faecalibacterium praunitzii)、およびツリシバクター属(Turicibacter spp)などの短鎖脂肪酸をガンガン出す細菌の数が減少(Suchodolski JS, et al.2012)して、クロストリジウム属(Clostridium)の増加( Guard BC et al.2019)を伴う強いディスバイオシスが起こっていると報告されています。

さらにある研究 (Guard BC et al 2015) では犬の急性下痢(AD)のウンチでは短鎖脂肪酸を出す細菌の量は減ったけど、短鎖脂肪酸を測定するとプロピオン酸濃度のみがガツンと減ったって。その代わりに、犬の急性下痢(AD)のウンチで酪酸がドバッと増えることがわかりました。これは酪酸が吸収できなくなって、もしくは腸細胞による酪酸の利用率の低下することが原因かもって言われています。

さらに、腸内細菌が犬と猫の炎症性腸疾患(IBD)の病因に重要な役割を果たすこともわかっており、人間と同様に、犬と猫のIBDでディスバイオーシスが確認されています。一般的に観察される微生物の変化は、プロテオバクテリア門(大腸菌など)の増加とファーミキューテス門の減少、特にクロストリジウムクラスターXIVaおよびIV(ラクノスピラ科、ルミノコッカス科、フェカリバクテリウム属)の多様性の減少です。(J S Suchodolski et al. 2011)

 ディスバイオーシスとは腸内細菌が乱れた状態を指します。腸内細菌をクラスの生徒にと例えると、良い生徒(20%)がいて、悪い生徒(10%)もいて、どっちでもない普通の生徒(70%)が正常だとすると、ディスバイオーシスは、20代の方なら「ごくせん」、30代の方なら「ROOKIES」、「クローズ」、40代の方なら「スクールウォーズ」や「ビーバップハイスクール」、50代の方なら「3年B組金八先生」をイメージされると良いかもしれません。

アレルギー性皮膚疾患だけでなく下痢でも腸内細菌が乱れてディスバイオーシスになっています。つまり、リーゼントヘアのツッパリヤンキーが、クラスの中でタバコを吸って、暴走族が廊下をバイクでぶっ飛ばしているような状態になっているのです。この状況を打破するためには、ヤンキーや暴走族を機関銃(抗菌剤)で皆殺しするのではなく、真面目な生徒を他の学校から大量に転校(プレバイオティクス =乳酸菌の投与)させて、もともといる良い生徒に栄養ドリンクを大量に配布(プレバイオティクス=ニストースやケストースなどのフラクトオリゴ糖)すれば、ヤンキーたちは勢力が衰え、床屋でリーゼントをやめスッキリとした刈り上げにしてもらい、タバコをやめてバイクは原付に変えてヘルメットを被らせれば暴走行為をやめて制限速度で安全運転に変わるでしょう。

実際に、2019年にVeterinary record openという雑誌に掲載された「Effects of Lactobacillus acidophilus D2/CSL (CECT 4529) Supplementation on Healthy Cat Performance」という論文で猫のフードにアシドフィルス(Lactobacillus acidophilus D2 / CSL(CECT 4529))を加えるとウンチの中の乳酸菌が増加して大腸菌の減少し、猫の腸の健康が改善されることが報告されています。

あとがき
このメルマガは、「診察室では話しきれない情報を伝える」で、「ヒトとペットの健康に関わるイケてる研究論文を独断と偏見でピックアップしておじいちゃんでも理解できる言葉で噛み砕いてわかりやすく表現すること」にコミットします。
特に腸内細菌にググッとフォーカスし、鋭くザクッとメスを入れます。動物病院でアレルギーのペットを毎日診断・治療して、ペット合ったオーダーメイドの乳酸菌を飲むとによって腸内の細菌のバランスを元に戻してあげることによって痒いという症状が改善していくの目の前でみて、やはりカギとなるのは菌だと感じています。そんな想いを高速道路サービスエリアに設置されて、「コーヒールンバ」の曲にのせてプチ贅沢なコーヒーが出来上がるまでの時間でも読めるくらいにギュッとコンパクトにまとめて発信します。この記事が誰かの目に留まり、アレルギーで痒がる世界中のワンちゃんと猫ちゃんへの恩送りとなりますように…

東京動物アレルギーセンター 
センター長 
日本獣医皮膚科学会認定医
獣医学博士 川野浩志

.................................................
【当店オススメ商品】
◆愛犬・愛猫用「高機能プレバイオティクス/高純度ケストース100」腸内環境改善でアレルギー改善‼
https://tsuku2.jp/ec/viewDetail.php?itemCd=70250028092506

◆ 犬猫用キヌアビスケット5個セット(スティックタイプ)/グルテンフリー・カゼインフリー・シュガーレス・トランス脂肪酸0・アレルゲンフリー‼
https://tsuku2.jp/ec/viewDetail.php?itemCd=20001802028206

◆ 犬猫用キヌアビスケット10個セット(スティックタイプ)/グルテンフリー・カゼインフリー・シュガーレス・トランス脂肪酸0・アレルゲンフリー‼
https://tsuku2.jp/ec/viewDetail.php?itemCd=22088162420020

━━━━━━━━━━━━━━━━━
★Instagram
東京動物アレルギーセンター(https://taac.jp
・公式Instagram : https://instagram.com/t.animal.allergy.center
九州動物アレルギーセンター(http://www.pal-animal.com
・公式Instagram :https://www.instagram.com/k.animal.allergy.center/
福岡動物アレルギーセンター (http://live-ac.com)
・公式Instagram :https://www.instagram.com/f.animal.allergy.center/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
辻安全食品
◇Instagram
https://instagram.com/tsujianzen
◇Facebook
http://www.facebook.com/tsujianzenshokuhin
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

メールマガジン バックナンバー

過去にお送りしたメールマガジンをバックナンバーとして公開しています。

メルマガを購読する