東京動物アレルギーセンター

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第114話 インプルーブメント(改善)からプリベンション(予防)へシフトする腸内細菌

インプルーブメント(改善)からプリベンション(予防)へシフトする腸内細菌

腸内細菌の研究が進み、どうやら多くの病気と腸内細菌の乱れと関係することがわかってた。
例えば、ある病気になるとある腸内細菌が増えるし、ある腸内細菌が減っちゃう。
つまり病気になる手前の段階で腸内細菌の乱れを確認し早期に腸内細菌の乱れを改善することができればより健康な時間を伸ばすことができるの可能性があると考えることもできる。
まさにインプルーブメント(改善)からプリベンション(予防)へ

そのためには腸管内にいろいろなタイプの細菌を抱えていれば体の不調を整える大きな可能性になる
食べたものは24時間以内に腸内細菌に作用する
だからこそ「何を食べて何をさけるか?」が重要な選択になる
脳は簡単に騙されるけど、腸は嘘つかない
家の観葉植物をアマゾンのジャングルに放り投げても育たないように、口から乳酸菌を取り入れても腸管内に定着するわけじゃない
だからこそ腸内に住むことを許された選ばれし細菌たちを育てることが重要になる
もし細菌たちに食物繊維を与えないと”あなた(粘膜)”を食べはじめる
仮に食事から「何か」を抜くと、そのエサを待ち構えていた腸内細菌は間違いなく激減する
大腸に住んでいる腸内細菌たちを喜ばすためには、大腸の前半に住んでいる細菌にも大腸の後半に住んでいる細菌にもエサを届ける必要がある。
つまり、水溶性食物繊維は大腸の前半から中盤あたりの細菌の餌になり、不溶性食物繊維やレジスタントスタートは大腸の後半に住む細菌の餌になる
”短すぎるプレバイオティクス(砂糖やブドウ糖)”はヒトが小腸で奪い去るので細菌たちが食べることができない。
そこで大腸の前半に住む細菌たちには”短いプレバイオティクス(オリゴ糖)”をプレゼントし、大腸の後半に住んでいる細菌たちには”長いプレバイオティクス(食物繊維)”をプレゼントすれば不平不満の声は聞こえてこないだろう。

つまり、最強のプレバイオティクスの組み合わせは”短いプレバイオティクス(オリゴ糖)”と”長いプレバイオティクス(食物繊維)”だ
医学界と獣医学世界に革命をもたらす頼もしい腸内細菌叢
かっぱえびせんは「やめられない」し遺伝子も変えられないけど、腸内細菌の割合は変えられる
野菜や果物、ナッツ類に豆類は昔のmixiやポテトチップのように中毒性はないけど、腸内細菌はきっと感謝してくれるだろう
さぁ、腸内細菌を治療の仲間に入れて味方につけろ!

藤田医科大学消化器内科学講座 客員講師
獣医師(獣医学博士) 川野浩志

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