東京動物アレルギーセンター

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第109話 ペットフードと調理温度

「ペットフードはなぜ低温製法が良いですか?」と聞かれたら

ザックリ答えるなら
高温調理だと
❶タンパクが変性する
❷油が酸化する
❸食物繊維が破壊される

❸の詳細はこちら
2005年に報告された「加熱調理による食物繊維の性状変化」という論文で加熱による食物繊維の変化を観察するために
さつまいもを
①生で食べる
②蒸し加熱(71.2度)
③電子レンジ加熱(99.8度)
で比較検討した結果ところ、
・不溶性食物繊維は加熱による影響を受けなかった
・水溶性食物繊維は蒸し加熱(71.2度の低温加熱)では発酵性に影響を与えないが、電子レンジ加熱(99.8度の高温加熱)では発酵性が低下することが明らかになった。

つまり、水溶性食物繊維を電子レンジで加熱すると蒸し加熱した場合よりも腸内細菌に分解されにくくなり発酵性が下がる
結論、 「調理法の違いが水溶性食物繊維の発酵性に影響を与える」ということ

急激な温度変化を伴う高温調理ではペクチンなどの粘性多糖類や水分含有量の変化に加え、水溶性食物繊維の物理的性状変化が起こり腸内細菌たちが食べにくい形へと変化して発酵性が下がると推測できる。
さらに栄養素やビタミンの破壊などの影響もあるため高温高圧より低温調理の方が腸内細菌的にはベターでしょう・・・

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