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メールマガジン バックナンバー
第91話 長州小力の法則
長州小力の法則
〜小麦がダメなら大麦もダメか?〜
・小麦に含まれているタンパク質である「グリアジン」と「グルテニン」が水と混ざるとグルテンに変身する。
・だから小麦粉をこねると「グルテン」ができる。
・大麦の主要タンパク質は、「グルテリン」と「ホルデイン」
・つまり大麦の主なタンパク質は、「グリアジン」ではなく「ホルデイン」
・だから大麦は粉にしてこねても、「グルテン」はほとんどできない。
・つまり大麦には「グルテン」が含まれていない。
・じゃあ、小麦アレルギーの人でも大麦なら食べて大丈夫か?
・結論は、残念ながら一概にOKとは言えない。
・理由は、大麦タンパク質の一部に小麦と似た分子構造のタンパク質があるため、小麦アレルギーの人が大麦を食べるとアレルギー反応を起こすことがある。
・これを「交差抗原性(こうさこうげんせい)」という、
・似てるからダメってこと。ダメよ、ダメダメ。
・長州力がダメな人は、長州小力もダメみたいな感じ
・交差抗原性には個人差があるから
小麦アレルギーの人でも、 大麦を食べても大丈夫な人と、ダメな人がいる。
あとがき
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最後の言葉
このメルマガのコンセプトは、「診察室では話しきれない情報を伝える」で、「ヒトとペットの健康に関わるイケてる研究論文を独断と偏見でピックアップしておじいちゃんでも理解できる言葉で噛み砕いてわかりやすく表現すること」にコミットします。情報量がかなり多くて1度読んだだけでは100%の理解は難しいと思います。仮に10%しか理解できなくても次に読んだり聞いたりした時に点と点が繋がって線になる時がいつか来るので心配しないで下さい。
東京動物アレルギーセンターでは皮膚科疾患の中でも特に多く遭遇する犬と猫のアレルギー性皮膚疾患に”羅針盤”の照準を絞りブレずに面舵いっぱい切りました。当センターの役割は「犬と猫のアレルギー性皮膚疾患に対して対症療法ではなく、根治療法に挑戦し脱医薬療法を目指すこと」です。特に腸内細菌と口腔内細菌と皮膚細菌にググッとフォーカスし、鋭くザクッとメスを入れます。特に免疫細胞の70-80%が配備されている腸管は脅威となる病原体との主戦場となる。動物病院でアレルギーのペットを毎日診断・治療して、課題はやはり「慢性炎症のコントロール」と「フリーラジカルの制御」だと考えています。
アレルギーで苦しむ動物と何も出来ず彷徨ってる飼い主さんのために犬アトピー性皮膚炎の治療戦略として「プロバイオティクス(有益な生きた細菌)/プレバイオティクス(有益な細菌のエサ)による腸内環境の改善に加え、酸化ストレスの緩和により免疫抑制剤から解放され、尾崎豊じゃないけど戦いから卒業することを目指しています。免疫を抑制しないと制御不能だったはずの痒みが、腸内環境改善を改善するために乳酸菌クラスター爆弾を腸管内(大腸)に投下して、腸壁に住む細菌たちアンバランス(dysbiosis)をチューニング(整頓)すると、免疫を抑制しないと制御不能だったはずの痒みがチャラになる動物たちを目の前で見せてもらい、生命体の無限の可能性を教えてもらい、そのキープレイヤーとなるのはやはり菌だと感じています。だから僕はアレルギーを出来るだけ薬物に頼らず治療したいという方に対する解決策、治療オプションを提案したいと思います。この治療介入は薬物と違ってリスクは全くないか、あったといても無視できる程度です。
口から入り胃を通過して腸管内を移動し、定住せず短期間だけ“宿泊”し、腸管の動きに合わせて移動しながら、その一瞬一瞬で任務を全うして勇敢に戦死するエキサイティングなビフィズス菌や乳酸菌。
まだ絶対的正解はないが、実際に決定打となり裏打ちする研究結果がはっきりとそれを証明しています。特に脅威となる皮膚のブドウ球菌や口腔内のグラエ菌に対して力ずつのアプローチ・抗菌薬による殺菌という空爆で有用菌まで無差別に爆撃することのないように静菌制御して、動物達の腸管内や皮膚表面に暮らす細菌たちの潜在能力に期待するとともに、一生懸命育てた菌の邪魔をしない世界を目指します。
そんな想いを高速道路サービスエリアに設置されて、「コーヒールンバ」の曲にのせてプチ贅沢なコーヒーが出来上がるまでの時間でも読めるくらいにギュッとコンパクトにまとめて発信します。
この想いがアレルギーで痒がる世界中のワンちゃんと猫ちゃんに届きますように…
文責
川野浩志(獣医学博士)
日本獣医皮膚科学会 認定医
藤田医科大学医学部 消化器内科学講座 客員講師
全日本暴猫連合なめんなよ 親衛隊長(公認)
・東京動物アレルギーセンター
・九州動物アレルギーセンター
・福岡動物アレルギーセンター
・名古屋動物アレルギーセンター
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