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ひふみデイリーニュース令和3年7月24日
世界の潮流は有機農業へby鈴木宣弘
(農学博士)
欧州委員会は、2030年までに、
「農薬の50%削減」
「化学肥料の20%削減」
「有機栽培面積の25%への拡大」
を掲げた。
日本も遅ればせながら、2021年に
2050年有機栽培面積25%
化学農薬50%減
化学肥料30%減
という画期的な目標値を農水省が「みどりの食料システム戦略」で打ち出した。
農水省・農薬企業・JAが長期的な方向性について世界潮流への対応(代替農薬、代替肥料へのシフト)の必要性を共有し、大きな目標に向けて取り組むことができた意義は大きい。
高い目標設定ができたのは、日本の有機農業運動、消費者・市民運動の成果とも言えよう。
しかし、消費者の意識改革がさらに加速しなければ、この目標は到底達成できない。
EU政府を動かし、世界潮流をつくったのも消費者だ。
最終決定権は消費者にあることを日本の消費者もさらに自覚したい。
と、こう述べている。
目標設定年度が2050年ということで遠い先の話に聞こえるが、ともあれ具体的に設定し方向づけられたのはまさに画期的と言える。
我々は、単に量的拡大だけでなく中身もちゃんと見据えて本質を損なわないよういままでどおり着実に活動を続けて行きたい。