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229【すーさんの学校】知らないうちにインプット
「子供は親の背中を見て育つ」とか「親の言う通りにはならない。親の通りになる」とよくいわれます。
確かに、「親の顔が見てみたい」と聞くこともあります。
これは、良い意味でも悪い意味でもまったく同じだと思っています。
視覚や聴覚によって、親の潜在が意識の中に、勝手にインプットされながら人は育ってゆくからです。
でも、これは遺伝ではありません。
すべての親が同じとは思いませんが、子供に暴力をふるう親がいたら、その親も必ず親から暴力をふるわれており、またその親も必ず暴力をふるわれているといいます。
子どもを叩くことが指導の正当化という人は、きっと、自分も同じように叩かれて指導されていたと思います。残念ですけど今の時代でも、その影響は残っているようです。
良いことも悪いことも、みんないつの間にか意識の中にインプットされているのですから、それらが無意識のうちにいつ出てくるか分かりません。
こんな話しがあります。
「父は、お母さんにどうしろ、こうしろと決して言いません。
お母さんも、働いて疲れて帰って来ているにもかかわらず、自分で気が付いたことは何でもしてしまいます。
お母さんは仕事がとても好きな人でしたから、朝の8時から夜の8時まで休日なしでいくらでも働く人でした。」という人がいました。
やはりその子も、仕事が大変好きで、人一倍よく気がきく心の優しい子でした。
積極的で素直でとても明朗だったそうです。
それは親を尊敬していれば当然そっくりなまでに似たことをするのではないでしょうか。
そして、この親は、仕事に対しての不平不満を言うこともなく、仕事が楽しく、大人は楽しいということを感じさせてくれていたのでしょう。
随分前の事になりますが、少年の非行が問題になってきたために国は「心の教育」を始めました。
「心のノート」といわれるものまで全児童生徒に配付されました。
しかし、政府の立場でどんなに理想的なことを言っても、テレビから入ってくる情報が暴力的なものが後をたたなかったり、親が知らないうちにインプットされていることに気が付かなければ、いつまでたっても、正しい方向に向かうことはないでしょう。
心の教育とか躾(しつけ)は、家庭での役割が、そのほとんどをしめています。
「親の言うことをきかない。先生の言うことだったらきくから何とかしてほしい」と言われることがありました。
親が、子ども投げてどうするのでしょう。
学校現場に、子どもを任せず、協力をしてほしいと言って欲しいものです。
正しいことも、正しくないことも自然にインプットされてしまいます。
それが人間です。
親の思うとおりの子どもにしたければ、なって欲しい子どもに親がなることではないでしょうか。
子どもに優しくなって欲しければ、親が優しくなりましょう。
笑顔でいるのが、子どもを育てるのに一番いいことだと思っています。!(^^)!