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172【すーさんの学校】敵国兵を救った日本人
戦後80年、今年は夏の終戦の日を中心にニュースや特番が組まれています。
イルティッシュ号は日露戦争の末期にロシアのバルチック艦隊に所属していた石炭運送船です。
戦闘用の船ではないので、乗組員のほとんどが少年と退役軍人だったそうです。
この船が3カ所に被弾し沈没のおそれのある中、日本沿岸を北上してしました。
しかし、現在の島根県江津市沖で航行不能になり、6隻のボートに白旗、赤十旗、ロシアの国旗等をあげ上陸しようとしたが、強い西風にあおられ、転覆して海に投げ出されました。
その時、上陸地点である和木(※)の住民は、当初攻撃ではないかと思っていたが、投降であることがわかると総出でロシア兵を救助しました。
そして、重軽傷者を含む乗組員全員の上陸が完了しました。
明治38年5月27日の話です。
救助された乗組員は、手当をうけ、飲食を与えられるなどしました。
寒さに震える少年兵を母親のようにあったかく抱きしめる婦人の姿もあったそうです。
その後、乗組員は戦時捕虜として、取り調べの後、佐世保へ移送されたそうです。
『世界から愛され続ける国「日本」』より
トルコのエルトゥールル号は、友好の目的と国であったが、このイルティッシュ号は、戦時中の敵国でした。。その敵国を救った人々の愛は、素晴らしいと誰もが賞賛しました。
これが、日本人のもっている、優しさと思いやりのこもったことが当たりまえにできる「義」の精神ではないだでしょうか。
阪神淡路大震災の時も東日本大震災の時もそうでした。
誰もが苦しいことは分かっています。
そんな時でも、日本人の取った譲り合い、お互い様、思いやりの行動は、世界国々からも認められています。
これもすべては、日本という国が繋いできた本来の姿ではないだろうかと思います。
しかし、そんな素敵なことばかりではありません。
毎日のようにテレビのニュースや新聞で考えられない事件が報道されています。
SNSでは、誹謗中傷的なことが後を絶ちません。
何が原因かを考えてしまうと無数にあるように思います。
それよりも、もっと、大切なことを大人は子どもたちに伝え、一緒に学習していかなければならないと思っています。
それが、歴史です。
それも、教科書に載っていない、日本人が繋いできた「心と行動」の歴史です。
学校現場では、子どもの成長期もあり、いろんなことが起こります。
これも、社会に出たときに経験することの一つと思えば、命を落とすこと以外、子どもたちにとっていい学習の機会だと思っています。
そんなことを繰り返しながら成長していくのも事実です。
実は、こんな時を含め、学校の先生や保護者や日頃から歴史の話をして欲しいと思います。
これは、社会人も同じです。
これから、明るく幸せな社会を創っていくのは、今の子どもたちである。
だからこそ、この国を思いやり、人を思いやることで、日本を創ってきた祖先のためにも、私達は、歴史の中で起こった素敵な事実を、大人の責任で繋いでいかなければならないと思います。
そして、人として人のために尽くしていくことを・・・
※・・・島根県の和木地区では年中行事として今でも「ロシア祭り」が続いていて、今年は120周年記念式典が開催されたそうです。