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【料理の常識アップデート②】「ステンレス鍋」なら、全部同じだと思っていませんか?
ごきげんよう♪
(一社)日本アロマ蒸留協会 代表理事
森あつ子です。
【料理の常識アップデート】
第1回は、今人気の「せいろ」についてお届けしました。
「何を蒸すか」だけではなく、
【何で蒸すか】
にも、ちょっと目を向けてみませんか?
というお話でした。
そして今日は、その続き。
皆さんのお家にも、おそらく一つくらいはあると思います。
「ステンレスのお鍋」
についてです。
突然ですが、
皆さんはご自宅のお鍋について、
「何のステンレスでできていますか?」
と聞かれたら答えられますか?
「え?ステンレスはステンレスじゃないの?」
と思った方。
実は、私も10数年前に 特許を取得して、蒸留器を作った際に、調理器具を深く調べ、ステンレスの種類について
知りました。
ステンレスって、1種類ではないんです。
304、316、316L、316Ti、430……
このほかにも、用途や規格によってさまざまな種類があります。
では、何が違うのでしょう?
■ そもそも「ステンレス」って何?
ステンレスは、鉄を主成分とした合金です。
鉄にクロムなどを加えることで、表面に非常に薄い保護皮膜が形成され、一般的な鉄より錆びにくくなっています。
だから、
キッチン用品、建築、工業製品など、
私たちの身の回りのさまざまなところで使われています。
でも、
加える元素やその割合などによって、性質が変わる。
つまり、
「ステンレス製」
という表示だけでは、
どんな特徴を持つステンレスなのかまでは分からない
ということなんです。
■ よく聞く「18-8ステンレス」って?
キッチン用品を見ていると、
「18-8ステンレス」
という言葉を見たことがある方もいるかもしれません。
代表的なのが、
SUS304
と呼ばれるステンレスです。
一般に「18-8」という呼び方は、クロム約18%、ニッケル約8%を含むタイプを指します。
耐食性や加工性などのバランスがよく、調理器具をはじめ幅広い用途で使われています。
つまり、
304は決して「悪いステンレス」ではありません。
ここ、とても大事です。
今回のシリーズは、
「この素材は危険!」
という話をしたいのではありません。
私は、
“全部同じ”だと思っていたものにも、実は違いがある。
それを知った上で、自分で選んでほしいと思っています。
■ では「316」は何が違うの?
304よりさらに耐食性を高めたステンレスの一つが、
316
です。
316には、304系の組成に加えて、
モリブデン
という元素が加えられています。
このモリブデンを加えることで、特に塩化物を含む環境などに対する耐食性が向上します。
お料理って考えてみると、
水だけを入れるわけではありませんよね。
塩を使ったり、
酸味のある食材を使ったり、
いろいろな食材を加熱したりします。
だから私は、調理器具を見るようになってから、
単に、
「ステンレスだから安心」
で終わるのではなく、
「何のステンレスなんだろう?」
と見るようになりました。
■ そして「316Ti」
ここで登場するのが、
私が現在扱っているお鍋の調理面にも使われている
316Ti
です。
「Ti」という文字を見て、
「チタンのお鍋なの?」
と思われるかもしれませんが、そうではありません。
316Tiは、
316系のステンレスにチタンを添加して安定化したステンレス
です。
ですから、
「チタン鍋」ではなく、
あくまでもステンレスです。
316系が持つモリブデンによる耐食性の特徴に加え、チタンによって組織を安定化させ、高温域で使われる用途などにも用いられる材料です。
ここでも、
「316Tiだから何でも最高!」
という単純な話ではありません。
素材には、それぞれ用途があります。
大切なのは、
「ステンレス」という名前だけで全部同じだと思わないこと。
私はここを知ったとき、
「お鍋って、思っていた以上に奥が深い!」
■ でも、お鍋は「ステンレスの種類」だけでは決まりません
そして、ここからが今日一番お伝えしたいところです。
仮に同じ種類のステンレスを使っていたとしても、
お鍋としての性能が全部同じになるわけではありません。
なぜなら、お鍋には、
・どの部分に、どんな素材を使っているのか
・単層なのか、多層構造なのか
・熱をどのように伝える設計なのか
・底面の厚さや構造はどうなっているのか
・蓋と本体がどのように合わさるのか
・鍋の中の水分や蒸気をどう利用するのか
・どのような温度帯で調理できるのか
など、
素材以外にも、料理を左右する要素がたくさんあるからです。
これは車に少し似ているかもしれません。
「鉄やアルミでできているから、どの車も同じ」
とは思いませんよね(笑)
素材だけではなく、
設計や構造、性能によって、
実際の走りは大きく変わります。
お鍋も同じなんです。
■ 私が「鍋の内側」を見るようになった理由
私は25年以上、
美容、健康、香り、食について学んできました。
食材を選ぶ。
調味料を選ぶ。
水を選ぶ。
できるだけ余計なものを避ける。
ATR POTを開発した時も、
「食べ物に触れるものだから」
と素材についてずいぶん調べました。
ところが、ある時ふと思ったんです。
食材にはこんなにこだわっているのに、
毎日その食材を加熱している“お鍋”について、
私はどのくらい知っているんだろう?
ここから私の「鍋研究」が始まりました。
調べてみると、
ステンレスだけでも種類がある。
さらに構造も違う。
熱の伝わり方も違う。
蓋の仕組みも違う。
そして何より、
同じ食材なのに、調理の仕方によって出来上がりが違う。
これが面白くて仕方なくなりました。
■ 食材にこだわる人ほど「最後の場所」を見てほしい
オーガニックのお野菜を買う。
無添加の調味料を選ぶ。
良いお塩を使う。
お水にもこだわる。
もちろん、全部素晴らしいと思います。
でも、それらが食卓に並ぶ前、
ほとんどの食材が最後に通る場所があります。
それが、
「調理」
です。
だから、
何を食べるか。
だけではなく、
どう調理するか。
そして、
何で調理するか。
私はここまで含めて「食」だと思うようになりました。
■ 今日、お家のお鍋を見てみてください
ぜひ今日、
いつも使っているお鍋をひっくり返してみてください。
メーカー名や品番が分かったら、
メーカーのホームページも見てみてください。
「ステンレス」とだけ書かれているのか?
304なのか?
316なのか?
ほかの種類なのか?
単層なのか?
多層なのか?
自分が毎日使っているものを知る。
まずは、それだけでいいと思います。
今まで何となく使っていたお鍋を見る目が、少し変わるかもしれません。
そして、
「うちのお鍋、何でできているのか分からない!」
という方も大丈夫(笑)
それも今日の、
【料理の常識アップデート】
です。
オンラインクラスでは、ご自宅のお鍋から重金属が溶け出ているのかを
実験する方法もお話ししています。
アクが出ているなら要注意!
毎月開催していますので、ぜひご参加くださいね。
9/16 20時から
『料理の常識アップデート講座』 ~調理器具を開発した私が、最後にたどり着いた答え~
そして次回は、
さらに料理の核心に入っていきます。
これは、蒸留する時間や温度で、取れる香りのお水の「香り」が異なる
理由を知る助けにもなります。
テーマは、
【料理は「温度」で変わる】
です。
強火、中火、弱火……
普段、私たちは火加減では考えますが、
「鍋の中が何℃なのか?」
まで考えて料理することって、意外と少ないですよね。
私が現在使っている調理システムには、
86.7℃
という、とても重要な数字があります。
なぜ、この温度なのか?
温度が変わると、
野菜、お肉、栄養、そして美味しさはどう変わるのか?
次回はここを、少し詳しくお話しします。
そして、
「もう文章だけじゃなくて、一度食べてみたい(笑)」
という方は、
実際に調理を見て、出来上がったお料理を食べていただくクッキングショーも毎週開催しています。
今までのお料理の常識が、
「あれ?」
と変わる瞬間を、ぜひご自身の舌で体験してください。
▼クッキングショーはこちら
https://ticket.tsuku2.jp/events-store/0000028091?sc=0012
それでは次回も、
料理の常識を一つ、アップデートしましょう♪




