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154【すーさんの学校】古事記編さんよみ語り
2012年10月のお話です。
浅野温子さんによる、古事記編さん1300年記念事業よみ語りが、宮崎県高原町の狭野神社で開催されました。その時に感じたことです。
御祭神は神武天皇です。
朝からの激しい雨も何とかあがり、日も沈み周りは暗くなり、なんとも神秘的な空間と空気の中ではじまりました。
古事記は、その序によれば、712年(和銅5年)に太朝臣安萬侶によって献上された、現在確認できる日本最古の歴史書です。
上・中・下の全3巻に分かれていますが、原本は現存せず、幾つかの写本が後世に伝わっているそうです。
この写本の序に記された『和銅年』及び月日に拠って古事記の成立年代としています。
演目は『天の岩屋戸にお隠れになった天照大御神』『日御子 イワレビコとイツセ、東を目指す』でした。
もちろん休憩などなく、約90分という時間、語り続けました。
語りだけではありません。
古代の服に身をまとった二人が、生演奏で語りの内容に合うように、雰囲気を作っていました。
これに、照明も加わりました。
さすがは、プロです。
どれくらい練習するのでしょうか。
見事に演じきりました。
語りもじっと座ってするのではなく、体全体で表現し、動き回るから、体力も必要です。
プロだけあって、言葉一つ一つにしても、大切にしているのがよくわかりました。
だから、自然に頭の中のスクリーンに映し出されたのだと思います。
語りを聴きながら思ったことが大きく二つありました。
一つは、語るという技です。
これは、相手に伝えるのではなく、伝わらなければなりません。
だから、間の取り方、スピード、声の強弱とても勉強になりました。
もう一つは、日本人としての誇りです。
日本という国には、こんなに素敵な歴史をつなぐ書があります。
2012年の年は、1300年という節目もあり、全国で注目されていました。
もっと、歴史を勉強して本気で繋いでいかなければならないと感じました。
歴史から学ぶことが、たくさんあるからです。
語りを聴きながら、いろんなことを考えました。
今、日本という国が世界に踊らされ、一番近くにある日本という国や一人一人の日本人を大切にしようとしていないことです。
日本人が忘れかけていることが、たくさん出てきたからです。
語りの中にこんな内容がありました。
「人は誰でも一人で生きていかなければならない。だからこそ、誰かと支え合うことが大事である」と・・・。
人は誰だって、身近で自分を支えてくれる人達が必要です。
そして、その人達を必死で守り、みんなの想いに応えなければならないと思っています。
古事記は、1300年前から、今の日本が忘れかけていることをたくさん語っていました。
私たちは、もっと本気になって、日本人としての誇りや心を繋いでいかなければならないと強く感じた時間になりました。
頑張ろう、大人!
頑張れ、にっぽん!