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146【すーさんの学校】時手紙
愛知県蒲郡市にある「海辺の文学記念館」。
ここでは、将来の自分や家族、大切な人へメッセージをかくことができます。
そして、施設内のポストに投函すると、1年後から最大で10年後、宛先の人へ手紙が届きます(保管期間で料金が違います)。
これが、今の思いを「未来」に届ける「時手紙」です。
時手紙(ときてがみ)は、平成13年に始められた取り組みです。
来館者本人の希望する年数に応じて保管したのち、指定期日になり次第発送します。
この取り組みが始まって10年が経った平成23年あたりから手紙を受け取る人が全国各地で増え始め、話題となっています。
学校の卒業の思い出や記念行事に、タイムカプセルというものにその時の資料や手紙をいれて、数年後にみんなで集まって、開けるのが一般的だと思います。
それと、似たようなところはありますが、文学館を舞台にした雰囲気や目的がちがうと思います。
10年前に書いた手紙が届いた一人の女性がいます。
手紙を書いたときには、すでに夫を亡くしてしまっており、それから、10年働きつづけたといいます。
そんな自分に手紙が届きました。
10年前に自分で書いた手紙。
その中の最後の一行に「輝いている」という言葉があったそうです。
その言葉が、とても気になったそうです。
一生懸命に仕事はしていますが、自分らしく輝いているかということを自分に問いかけたそうです。
本当にこれでいいのかと・・・。
そして、一人で列車にのって出かけたそうです。
自分らしさを見つめ直すために・・・。
しかし、手紙が届いた中には、開けられずにそのままにしている人もいれば、破棄してほしい人とか、住所が変更になり、届かずに戻ってくるケースもあるそうです。
誰でも10年前のことを考えると、間違いなく違う自分がいるはずです。
自分は変わっていないと思う人がいるかも知れないが、10年が過ぎているのだから、周りの環境や人とのつきあい(縁)も含め、必ずどこか違っていると思います。
これは、10年前に考えていてことだろうかと笑ってしまうこともあるでしょう。
こうやって考えると、10年後の自分は、どんな自分になっているのでしょうか。
逆に、10年前は今の自分が想像できたでしょうか。
今の自分は、輝いでいるでしょうか。
これから10年後の自分を想像するのも楽しいかもしれません。
そのためにも、今の自分にできることを精一杯やっていきます。
人は、「時手紙」に託された言葉に何を思い、どんな願いを込めるのでしょうね。