ツリーベル教育研究所  【すーさんの学校】

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133【すーさんの学校】体育大会で気になる言葉

 ふと、思い出したことがあります。
体育大会の徒競走です。
子どもたちは一生懸命に走ります。
どんな結果であれ、走ります。
どんなに離されても、一生懸命に走っています。
そこに、実況中継が入るんです。
「◎団、頑張ってください」。

 我が子が中学校に入った時、体育大会での徒競走は200Mでっした。
走るのが得意でなかったので、残り50Mでは、間違いなく一番後ろを走っていました。
小学校の時も後ろでした。
 家に帰ってきて、子どもが言っていました。
『体育大会は、おもしろいけど、200Mで一生懸命に走っているのに、「◎団頑張ってください」って放送で言われのは、ものすごく嫌だ』。
確かに、そうだなと思いました。
周りから見たら、そのように言いたくなるかも知れません。
しかし「頑張れ」という言葉は、時によって、人を嫌な思いにさせることもあると言うことです。
 スポーツの世界で、トップを目指しながら、専門でスポーツをしているアスリートは、「頑張れ」という言葉が励みになるはずです。
それは、いいと思います。
トップアスリートの人がたちが「頑張れ」と言われ「頑張ってるのにな~」と思ったら、勝てるはずがないと思ているからです。 
 生徒に限らず、スポーツの得意な人と苦手な人がいます。
苦手でも、体育大会には、参加しなければなりません。
それぞれに、得意なことと苦手なことがあるので、これは、仕方のないことです。
自分は、苦手だから仕方がないと思っていても、一生懸命にやっているのに、「頑張れ」と言われることに、つらいと思う生徒もいるはずです。
 そしたら、何と言ってあげればいいのでしょうか。
放送では、何も言わなくていいと思うのです。
「◎団が速いようです。」「今、◎団が一位です。」これ位で十分だと思います。
一番後ろを一生懸命に走っている生徒には、放送での団をはっきり言うような放送はいりません。
 終わったあとに、個人的に声をかけてあげればいいだけです。
これは、個々によって、声のかけ方は違うでしょうが、我が子だったら、「一生懸命、走っていたね。どうやった?」って言ってあげる。
あとは、子どもが自分で考えて、答えを出すでしょう。
 我が子は、部活動のおかげで、少しずつ走るのも苦手では無くなってきました。
きっと、大人になったときに、最後で一生懸命に走っている人の気持ちがわかるだろうと思っています。

 一番後ろでいいと思いながら、走っている生徒はいません。
みんな、少しでも前の方を走りたいはずなのです。
だから、一生懸命に走っている生徒は、どんな結果であろうと、自分の中では、一位なんだと思います。
恥じることもありません。
走っている順位ではなく、この舞台で走っていることにアプローチしてほしいと願うばかりです。
 

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