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メールマガジン バックナンバー
第300回 骨粗しょう症とタンパク質分断酵素・カルパインの暴走〜水晶体タンパク質の凝集→白内障〜
前回のメルマガでは、
骨粗しょう症だと白内障のリスクが上がることを綴りました。
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このリスクに関係しているのが
タンパク質を分断する酵素のカルパインです。
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今回も日常では、なかなか考えない内容だけれど
エイジングや病気に関わるすごく基礎的なことなので、
なるべく優しく、わかりやすく綴ります。
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カルパインの本来の働きに以下があります。
例えば、筋トレをして、
筋肉痛になった経験があると思いますが、
その時、筋肉の組織にはミクロの傷がついています。
この傷によって、
役に立たなくなったタンパク質を切り離したり、
すい臓からインスリンを放出するとき
不必要に漏れ出ないように出口を塞いでいたタンパク質を
分断することで、
インスリンを放出させます。
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身体にとって、
役に立つ面を持つカルパインですが、
Caイオンが細胞の中に必要以上にあるときは、
必要以上にタンパク質を
チョキチョキ分断することがわかっています。
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骨粗しょう症は、
骨からCaが溶け出て、骨が痩せる病気です。
血中に溶け出たCaは
体のいたるところに置き去りにされて、
その密度が高くなり過ぎて、石灰化することもあります。
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水晶体も例外ではありません。
きれいな水晶体と比べて、
骨粗しょう症の方の水晶体には
Caが2~3倍多いことがわかっています。
(レンズの中心が硬く濁る核白内障では
最大26倍にもなるそうです。)
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すると、過剰なCaによって、
タンパク質を分断するカルパインの働きが促進され、
水晶体できれいに並んでいたタンパク質(クリスタリン)は
バラバラに・・・
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タンパク質は、複数のアミノ酸で構成されています。
水晶体のタンパク質のクリスタリンには
複数のタイプがあるのだけれど
どのクリスタリンもタンパク質・1分子あたり
170~180個のアミノ酸で構成されています。
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タンパク質の分子が分断されるということは、
分子の真ん中にあった酸化しやすいアミノ酸
(システインやメチオニン)が表面に出てきたら
酸化しやすいですし、
同様に分子の真ん中にあった糖化しやすいアミノ酸
(リジンやアルギニン)が表面に出てきたら
糖化しやすくなります。
つまり、
白内障の原因の酸化や糖化が加速されます。
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水晶体のタンパク質クリスタリンは、
外側は親水性、内側は疎水性です。
クリスタリンの分断が起こることで、
内側の疎水性の部分が現れてしまいます。
そうなると
疎水性の部分同士がくっつくことで
疎水性の部分が表面に出ないように
分断されたクリスタリンが集まって、
塊になっていきます。
(疎水性相互結合)
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クリスタリンというたんぱく質が
きれいな分子のまま、規則正しく並んでいたら、
光がきれいに水晶体を通過できますが、
クリスタリンの変形と
複数のクリスタリンが塊となった水晶体は
光を通しづらくなります。
見た目も水晶体が白濁したように
見えるようになります。

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ええぃ、今回のメルマガはちょっと難しいよね。
ごめんねと思いながら、
どうせなら、もう1つ。
クリスタリンの疎水性相互結合について、
加えて書いておきます。
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クリスタリンのβとγ型は
実は細胞の中に必要以上にCaイオンが入り込むと
Caイオンと結合してしまいます。
すると
タンパク質の立体構造が無理やり変形させられ、
疎水性の部分が外側にむき出しになります。
ここでもまた、疎水性と疎水性の部分がくっついて
タンパク質の塊となります。
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難しい内容を読んでいただき、ありがとうございます。
恐ろしいことに、追記した部分の疎水性相互結合は
アルツハイマーの原因といわれる
アミロイドベータ(Aβ)がくっついて、
大きくなる(Aβオリゴマー形成)機序と全く同じなのよ。
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そして、
タンパク質を分断するカルパインという酵素は、
実は身体の細胞のすべてにあります。
脳卒中や心筋梗塞、多発性硬化症にも関与していることが
わかっていて、
タンパク質高次構造病(コンフォメーション病)として、
研究されています。
最近では
「目を見るだけでアルツハイマー病を早期発見する研究」も
進められています。
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おさらい・・・。
カルパインは、
細胞の中にCaイオンが入り込み過ぎた状態で
暴走します。
タンパク質が分断されたら細かくなるのかと思いきや塊になって、
光がきれいに入らなくなる!(白内障)
骨粗しょう症だと骨から溶け出たCaが
身体のいろいろなところに置き去りに・・・。
Ca不足、侮ってはいけないね。
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