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第132回 コロナ後の嗅覚障害

コロナ感染後の嗅覚障害の緩和に良い精油は?と
質問を頂きましたので、綴ります。

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回答を先に書きますね。
嗅覚トレーニングをして欲しいなと思います。

どの精油という風に決めないで、
今まで自分が好きだった香りを3,4種類用意して
毎日、2回それらの香りを嗅ぎます。

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論文を調べると、
コロナ後の嗅覚がなくなるのは、
多くは、嗅細胞の障害ではなく、

嗅細胞の周りにある支持細胞が障害されて、
(Brann, D. H. et al. Sci. Adv. 6, eabc5801 (2020))
結果として、嗅細胞に栄養が行かないので、
嗅覚がなくなると言った機序のようです。

(支持細胞にはACE2受容体が多くあり、
コロナウイルスに感染しやすい。
一方、嗅覚細胞にはこの受容体がない)

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嗅細胞(神経細胞)と支持細胞は鼻腔の上方の
粘膜上皮を形成していますが、

実はこれらの細胞はターンオーバーがあります。
これらの細胞の下に基底細胞があって、
肌と同じように成長して、上の方に上ってきます。

ですから、粘膜上皮の細胞(嗅覚細胞、
支持細胞)が障害されても
基底細胞が育って、上皮まで来たら、
嗅覚が戻ります。

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通常は匂いを感じなくなってから、
1か月で7割の人は嗅覚が戻って来るようでが、
(おそらく、支持細胞のみの障害)

支持細胞の障害が嗅細胞の障害をも
招いているときは、
少し長くかかるのかもしれないですね。

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嗅細胞は鼻腔で、香りの分子をキャッチして、
その情報(電気信号)を
鼻の骨(篩骨)の上の嗅球まで運びます。

そこで、嗅細胞のニューロンから、
他のニューロンに電気信号が渡されるのですが、
嗅覚細胞のニューロンが障害されていたら、
元に戻るのに少し時間がかかるかも。

でも、ニューロンは元に戻るということなので、
悲観はしないようにね。

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炎症や障害が起きたところには
ステロイドが投与されやすいですが、

この治療法は、“待った!”ですね。

ステロイド投与群50名と、非投与群の実験で
有意差がないという結果になっています。
(Abdelalim, A. A. et al. Amer. J. Otolaryngol. 42, 102884 (2021).)

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刺激を与えないとその組織は退化していきます。

嗅覚・脳も同様です。
(Douaud, G. et al. Nature 604, 697–707 (2022))

なので、冒頭にも書きましたが、
香りを感じなくても、
仮に少ししか感じなくても

嗅覚トレーニングをして欲しいです。

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頭の中で、イメージできる香りが好ましいと思います。

私なら、ラベンダー、グレープフルーツ、ペパーミント、
ローズマリー・シネオール、クローブなどです。

(Kis-My-Ft2の千賀君は、
ラベンダーを使っていたようですね。)

組織再生にラベンダーのエステル類や
柑橘の果皮のモノテルペン炭化水素が役立ちますし、
シネオールの成分は細胞1つ1つ活き活きさせるからね。

1日2回くらいしっかり嗅いで、
香りが分からなくても、その香りをイメージしてください。

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そして、私なら鼻と鼻の周りもマッサージします。

指圧でも良いけれど
出来れば、アロマオイルで。

組織を元に戻すためには、血行を促さないと。
(欲を言ったら、顔も首もマッサージしたい)

地道なケア方法ですが、参考になればと思います。

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