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加熱する、しない、の二択でなかった
ごきげんよう🎶
(一社)日本アロマ蒸留協会 代表 森あつ子です。
「料理の常識アップデート」第3弾。
これまで、
「せいろ」
「ステンレス」
とお話ししてきましたが、
今日は、私がとても大切だと思っている
「温度」
についてお話ししたいと思います。
私は長年、キッチン蒸留を研究し、実践してきました。
植物や食材から香りを取り出すとき、
弱い火でゆっくり蒸留するのか。
それとも、熱をかけて一気に取り出すのか。
同じ植物なのに、出来上がった香りが違う。
そんなことを何度も体感してきました。
蒸留条件を変えると、香りの立ち方も違う。
「同じ材料を使っているのに、どうして?」
でも、考えてみれば当然なんですよね。
植物の中には、たくさんの成分が存在しています。
それぞれ性質が違い、
熱の影響の受け方も同じではありません。
だから私はキッチン蒸留を通して、
「植物から何を受け取るかは、“熱のかけ方”によって変わる」
ということを、ずっと体感してきたのです。
キッチン蒸留では、一つの食材から、
香り
栄養素
機能性成分
この3つを、できるだけ余すことなく取り出して活用することを考えてきました。
ただ「いい香りのお水を作る」というものではありません。
その食材が持っているものを、
私たちは、どこまで受け取ることができるのか。
そこをずっと追いかけてきました。
そして私は、感覚だけではなく、
実際にさまざまな成分分析も行ってきました。
だからこそ、
「何が取れたか」
だけではなく、
「何が失われたのか」
とも向き合ってきたんです。
火を入れれば、変わる。
キッチン蒸留をしていると、
弱い火でゆっくり香りを取るのと、
熱をかけて一気に取るのとでは、
同じ食材でも、香りが違う。
分析してみると、得られる成分にも違いが出ることがある。
そして同時に、
栄養素や機能性成分が、熱によってどれくらい減ってしまうのか。
そこにも、ずっと向き合ってきました。
だから私は、
「熱を加えれば、ある程度失われてしまうのは仕方がない」
と思っていたんです。
そして、
「だったら、できるだけ加熱しない方がいいのでは?」
という考えにも行き着きました。
だから私は、ローフードも学びました。
ローフードを学んだのも、
単に流行っていたからではありません。
食材が本来持っているものを、できるだけ壊さずにいただくにはどうしたらいいのか。
それを知りたかったからです。
生で食べる。
必要以上に熱を加えない。
そうすれば、熱に弱い栄養素を守れる可能性があります。
これは理にかなっています。
でも一方で、
すべてのものを生で食べるわけにはいきません。
温かい煮物も食べたい。
お肉もお魚も食べたい。
炊きたてのご飯も食べたい。
そして何より、
加熱するからこそ生まれる美味しさもあります。
そして加熱してこそ得られる栄養素も。
私はずっと、
「加熱する以上、ある程度の栄養損失は仕方がない」
そう思っていました。
ところが、ここで私の「調理の常識」が変わりました。
しかし、調理の常識をアップデートしていくご縁に巡り合い、
「調理の常識」がアップデートできました。
ずっと強火で加熱し続けない。
必要以上にグツグツさせない。
食材自身が持つ水分を利用する。
蒸気を逃がさず利用する。
そして、適切なところまで温度が上がったら、火を弱める。
それを見たとき、
私の中で、
キッチン蒸留
↓
成分分析
↓
ローフード
↓
調理
今まで別々に見えていたものが、
一本につながった瞬間です。
「加熱する・しない」の二択じゃなかった。
これが、私にとって大きな発見でした。
生で食べるか。
高温で加熱するか。
その二択ではなかった。
その間に、
「必要な加熱はする。でも、必要以上の熱を加えない」
という考え方があったんです。
もちろん、加熱によってすべての栄養素が減るわけではありません。
加熱することで、むしろ体が利用しやすくなる成分もあります。
だから、
「生=正解、加熱=不正解」ではない。
大切なのは、
その食材から何を受け取りたいのか。
そのためには、どんな温度で、どう調理するのがいいのか。
ここまで考えることなのではないでしょうか。
香りを取り出すとき、
私はただ火をつけて、蒸留が終わるのを待っていたわけではありません。
火の強さ。
時間。
香りの変化。
そして、得られた成分。
ずっと見てきました。
だったら、
毎日の食事だって同じじゃない?
と思うのです。
ブロッコリーを茹でる。
お肉を焼く。
魚を焼く。
ご飯を炊く。
そのとき、
「火が通ったからOK」
ではなく、
“その食材が持っていたものを、私たちはどれくらい受け取れているんだろう?”
そんな視点を持ってみる。
これが、私が今お伝えしたい
「料理の常識アップデート」
なのです。
香りが熱の影響を受けるなら、栄養は?
私たちが野菜を食べる理由って、
お腹を満たすためだけではありません。
ビタミン。
ミネラル。
ポリフェノール。
カロテノイド。
さまざまな植物由来成分。
そういったものも一緒にいただきたくて、
「野菜を食べよう」
と思っているはずです。
では、その栄養素は、
どんな温度で調理しても同じなのでしょうか?
答えは、
同じではありません。
たとえば、ビタミンCやビタミンB群、葉酸などは熱の影響を受けやすい栄養素です。
また、にんにくのアリシンや、アブラナ科野菜に含まれるスルフォラファンなども、加熱条件によって影響を受けます。
(調理法でも変わってきます)
キッチン蒸留でずっと見てきた「香り」と、
毎日の料理の「栄養」がつながった
のです。
だからといって「加熱しない方がいい」ではありません
ここは、とても大切です。
「じゃあ、野菜は全部生で食べた方がいいの?」
という話ではありません。
むしろ、加熱することによって体が利用しやすくなる成分もあります。
資料でも、α-カロテン、β-カロテン、リコピン、フェノール系抗酸化物質などは、調理によって量が増えたり、生体利用率が高まったりする場合があるとされています。
つまり、
加熱する=悪い
でも、
高温=悪い
でもありません。
大切なのは、
「何を、どんな温度で、どう加熱するのか」
なんです。
ところが、私たちは「温度」をあまり考えていない
食材にはこだわる。
無農薬を選ぶ。
オーガニックを選ぶ。
良いお肉を選ぶ。
調味料も無添加。
油にもこだわる。
ここまでやっている方は、たくさんいらっしゃいます。
でも、
その大切に選んだ食材を、
最後に何℃で調理しているのか?
そこまで考えている方は、まだ少ないのではないでしょうか。
レシピには、
「強火で焼く」
「沸騰したお湯で○分」
「180℃で○分」
とは書いてある。
でも、
その温度で、食材の栄養に何が起きているのか?
そこまで考えることは、ほとんどありません。
高温になると、栄養だけではない変化も起こります
食材は加熱すると、いろいろな化学反応を起こします。
たとえば、お肉やパンを焼いたときの、
あの美味しそうな焼き色。
香ばしい香り。
その一つがメイラード反応です。
美味しさを生み出す大切な反応でもあります。
一方、高温調理では条件によってAGEs(終末糖化産物)が生成されることがあり、
酸化ストレスや炎症などとの関連が研究されています。
つまり、
料理って、
ただ「火が通った・通っていない」だけではない。
温度によって、
香りも変わる。
味も変わる。
栄養も影響を受ける。
そして、食材の中で起こる化学反応も変わる。
そう考えると、
「何℃で料理するか」って、ものすごく大切だと思いませんか?
私が推奨する調理法。
私が面白いと思ったのが、
「必要以上に加熱し続けない」
という考え方でした。
、低水分で調理し、適温に達したところから火を弱め、蒸気のシールを利用して調理することを基本としています。
ずっと強火でグツグツ。
ではないんです。
だから私には、
とても腑に落ちました。
キッチン蒸留で、
「同じ植物でも、熱のかけ方で香りが違う」
ということを散々体験してきたからです。
だからこそ、
「料理だって、温度をもっと考えるべきだったんだ」
「何を食べるか」だけではなく、
「何℃で食卓まで届けるか」
私が今回、一番伝えたいのはここです。
健康のために、
何を食べるか。
どんな食材を選ぶか。
どんな調味料を使うか。
もちろん全部大切。
でも、その次に、
「その食材を、どう調理するのか」
まで考えてほしい。
そして、その中でも
「温度」
という視点を持ってほしいのです。
私がキッチン蒸留で植物の香りと向き合ってきたからこそ、
今、改めて強く感じています。
植物は、熱のかけ方で私たちに見せる表情が変わる。
香りだけではありません。
私たちが食べ物から受け取りたい栄養もまた、調理条件の影響を受けます。
だから、
食材を選ぶように。
調味料を選ぶように。
調理器具を選ぶように。
これからは、
「調理温度」も選ぶ時代へ。
これが、私が伝えたい
**「料理の常識アップデート」**です。
そして、
「実際に温度を変えると、料理ってどう変わるの?」
と思った方。
これは、文章で100回説明するより、
一度食べていただく方が早いです(笑)
ぜひこちらで体験してみてください。
同じ野菜。
同じお肉。
同じ調味料。
それなのに、
「調理の仕方だけで、こんなに違うの?」
という体験をしていただけたらと思っています。
また次回も、私たちが「当たり前」と思っている料理を、一緒にアップデートしていきましょう🎶
森あつ子




