えびなハチドリプロジェクト

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【政策深掘り】海老名の公共を守りたい【EHP-ML#007】

みなさん、こんにちは。
神奈川県海老名市で、ありいあいこが主宰する
えびなハチドリプロジェクトです。

当団体は、「えびなハチドリプロジェクトがめざす海老名のまち」という名称で、
2023年10月現在では、全部で6個の政策を持っています。

今後、【政策深掘り】と題したシリーズで、私たちの政策について、
ひとつずつご紹介していきたいと思います。

今回はその第1回目として、「海老名の公共を守りたい」についてご紹介します。

これは、えびなハチドリプロジェクトとして、団体設立のきっかけになった中心政策です。

長いですが、海老名市にとって、とても大切なことを書いているつもりです。
お時間のありますときに、気長にお読みいただけると幸いです。

【見出し】
1.海老名市で公共施設附帯駐車場が有料になったこと
2.「公共」は「市民の共有財産」であること
3.公共は「受益者負担」に馴染まないこと
4.有料化は「負担の公平性」の解決にはならないこと
5.駐車場料金は指定管理者の収入になること、しかし設備は税金で作られたこと
6.公共施設の民営化に対する危惧
7.世界は「再公営化」へと向かっていること

●1.海老名市で公共施設附帯駐車場が有料になったこと

 これまで当メールマガジンでも何度か取り上げてきたように、
 海老名市では2022年から5つの公共施設附帯駐車場が有料になりました。

 1回あたりの駐車料金は決して大きな額ではありませんが、積み重なれば
 負担になるということと、それ以上にこのできごとは、「公共」に対する
 市の考え方を象徴していて、今後は更に有料化や民間への委託が進んで、
 「公」の役割が削り取られるとともに、市民の負担が増えていくのではないか、
 という危惧を抱きました。

●2.「公共」は「市民の共有財産」であること

 「公共=common( コモン)」は、市民の共有財産であり、公園や図書館、
 文化会館のような公共施設、または教育、医療、道路、水道など、
 市民の生活や健康福祉の維持向上に欠かせないものです。

 2022年の杉並区長選で、新しく杉並区長となった岸本聡子さんの著書
 「地域主権という希望」(2023年1月16日 第1刷発行 大月書店出版)の中に、
 私たちの公共に対する政策のヒントがあります。

 ~「公共」の役割と力を取り戻すこと。地域の住民が主体となって、
 自分たちの税金の使いみちや公共の財産の役立て方を、民主的な方法で
 決めていくということ~(同書 4ページより引用)

 私たちもこの考え方に賛同し、海老名の公共を考えていく上での羅針盤となっています。

●3.公共は「受益者負担」に馴染まないこと

 海老名市は、駐車場を有料化する理由の1つに、「受益者負担の適正化」を
 掲げていました。これは、駐車場を利用する人が受益者であり、その人たちが
 駐車場の運営費の一部を負担すべきであるという考え方です。

 しかし、駐車場に限らず、公共施設の受益者というのは、その場の利用者ではなく、
 もっと長期的な視点を持って考えるべきであると思います。

 経済的に余裕のある人だけでなく、社会によって守られるべき存在、子どもたちや
 子育て世代、高齢者にとって使いやすい公共施設であること。

 そこで育った子どもたちは、将来中心的に社会の運営を担う市民となり、税金を納めます。
 そして高齢者の方は、これまで社会の運営を担い、税金を納めていた方たちです。

 公共施設を税金で運営することは、次の世代を担う子どもたちを社会全体で育て、
 はぐくみ、前の世代を担っていた高齢者の方をいたわり、充実したセカンドライフを
 送ってもらう。

 このようにして、公共施設によって受益するのはこの社会全体であると言えます。

●4.有料化は「負担の公平性」の解決にはならないこと

 海老名市が掲げていた有料化の理由のもう1つが、「負担の公平性」です。
 これは、駐車場を利用する人と利用しない人がいるため、
 駐車場を利用しない人が納める税金が駐車場の運営費に使われていることは
 公平ではないというものです。

 一見正しい考え方のようですが、市内の各所から公共施設を利用するためには、
 公共交通機関が不十分な海老名市においては車の利用が不可欠であり、
 また子ども連れで、着替えや遊具まで運んで公園に来る場合には、車を使わないと
 行き帰りだけで大変で、公園を使いたくても足が遠のいてしまうでしょう。

 このように、市内においても利用者の家族構成や公共施設までの距離などによって、
 利用のしやすさには格差があります。この格差を少しでも是正し、誰もが使いやすい
 公共施設であることを保証するのは、行政の役割であると私たちは考えます。

 これを「負担の公平性」の名のもとに、駐車場の利用者へ運営費を転嫁することは、
 単に使いにくい人を増やし、不公平を助長しただけであって、何の「公平性」にも
 繋がっていないだろうと思われます。

 ただ、格差是正の解決方法は「公共交通機関を充実させること」であっても良いわけ
 ですし、これからの気候危機への対策として、二酸化炭素の排出量を抑えるためには
 再生可能エネルギーを中心としたモビリティサービスを市が運営していくことの方が
 望ましいでしょう。

 しかしそれは一朝一夕にできることではありません。

 当面の方法として、駐車場有料化を行わず、誰もが使いやすい公共施設であることを
 維持することは、理にかなったことであると言えるでしょう。

●5.駐車場料金は指定管理者の収入になること、しかし設備は税金で作られたこと

 市は当初、駐車場の有料化は将来見込まれる人口と税収の減少に対して、あるいは老朽化する
 公共施設の建て替え等に対しての財源の確保と説明していましたが、駐車場料金の収入は
 指定管理者のものになるということでした。

 それがどのように市に還元されるのか尋ねたところ、市民へのサービス向上や、
 指定管理料の値下げを今後交渉していくとなっていて、市民のために
 役立てられるかどうかは何も決まっていない状態でした。

 それにもかかわらず、有料化のための駐車場ゲート設備は、指定管理者ではなく、
 市の税金から支出されています。

 この設備への投資額が回収できるかどうかについても、目処が立っていません。

●6.公共施設の民営化に対する危惧

 海老名市では、多くの公共施設の民営化が進んでいます。
 この目的は、民間のノウハウを取り入れることによって、市民へのサービスを向上させる
 とともに、無駄な出費を抑え、安価に運営することにあるはずです。

 しかしながら、言うまでもなく、民間企業の目的は営利を出すことです。

 これ自体は良いことでも悪いことでもなく、そのような目的で設立された会社なので、
 当然のことです。

 では、営利企業である民間業者へ、公共サービスを委託するとどうなるか。
 経費を最小にするために、効果の薄い市民サービスを切り捨て、通常は
 市民からクレームが出ない程度に運用し、時々盛大なイベントを開いて、
 効果をアピールするようなことも想定されます。

 そして市に対しては、なるべく多額の委託料を条件に出すかもしれません。
 入札にすれば良い、と考えるかもしれませんが、そもそもこのようなサービスを
 提供できる業者は限られており、一度選定されると他の業者に変更することは
 多大な労力がかかるため、委託料が高額であっても、応じざるを得ない
 というのが実状だろうと思われます。

 したがって、指定管理者と委託契約を交わした後も、そのコストが適正であるかについて、
 市と市民が監視することが必要です。

 しかしながら、海老名市には財務監査の制度がなく、この監視の仕組みが存在しないため、
 コストの適正性については確認することができません。

 実際、海老名中央図書館や海老名中央公園は、民営化以前よりも多額の運営費用が
 かかっています。

 更に、民営化が進むことで、市の職員に運営のノウハウが継承されなくなり、
 市の運営能力が弱体化することにも繋がります。

 海老名市は、今、様々な事業を、民間事業者へ委託することが前提のように
 なっていると感じます。

 この流れに歯止めをかけ、先に引用した岸本聡子さんの言葉のように、
 「公共の役割と力を取り戻すこと」が急務であると、私たちは考えています。

●7.世界は「再公営化」へと向かっていること

 今回のメルマガで、何度も引用している岸本聡子さんですが、
 ご自身の杉並区長選への挑戦と、これから杉並区で取り組もうとしている変革は、
 世界規模の大きな潮流の中にあるものであると述べています。

 ~あえていま本書を世に問うのは、私がこれから杉並区で取り組もうとしている
 変革が、世界規模の大きな潮流のなかにあるものだということを、区民に限らず
 全国のみなさんに知っていただきたいからです。~(同書4ページより引用)

 その潮流というのが、「公共の役割と力を取り戻すとこと」。民営化の流れを止めて、
 住民が自分たちの公共財産を自分たちで民主的に管理する仕組みを作り直そうとする動きです。

 ~こうした民営化の流れを止め、住民が地域の公共財産を自分たちで民主的に管理する
 仕組みを作り直そうとする動きが各地で生まれています。~(同書4ページより引用)

 このような現象は、「再公営化」「ミュニシパリズム(地域主権主義、自治体主義)」、
 「恐れぬ自治体(フィアレスシティ)」という言葉で呼ばれています。

私たち、えびなハチドリプロジェクトがめざしたいのは、海老名市でミュニシパリズムを
実現することです。

国の方針に従うだけではなく、地方から声を上げていくということ。市民の手に
公共を取り戻し、自分たちの意見を民主的な方法で反映して運営してくこと。

えびなハチドリプロジェクトはそのための、市民の手による政治活動の総称です。

私たちにご賛同いただける方は、ぜひ一緒に活動しましょう。

長くなりましたが、今回は以上です。

今回は以上です。

当団体では、活動を応援してくださる方を募集しています。

このメールマガジンもそのひとつですが、他にもボランティア会員、
寄附会員があります。

参加の方法は、ホームページの「ありいあいこを応援する会」をご覧ください。
https://tsuku2.jp/ebina8dori

私たちの活動は、応援してくださるみなさんのご支援のもと、成り立っています。
何卒、よろしくお願いいたします。

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えびなハチドリプロジェクト
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ご連絡、お問い合わせはメールにて
●Email:ebina8dori@gmail.com

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