えびなハチドリプロジェクト

えびなハチドリプロジェクトがめざす海老名のまち(政策)

私たちは2023年9月現在、次の6個の政策を持っています。
​それぞれに、未来の海老名への思いが詰まっていますので、​ぜひご覧ください。​
1.海老名の公共を守りたい
​2.自然と共生する、持続可能な海老名
3.子育て世代の親たちがいきいきと暮らせる社会​​
4.子どもたち一人ひとりに合った、多様な学びの場所を選べること
​5.子どもの権利条例の制定と、子どもたちがのびのびと過ごせる居場所づくり

6.オーガニック農業と地産地消の推進による​環境負荷の低減
駐車場有料化反対運動で行ったシール投票 海老名運動公園にて
1.海老名の公​​共を守りたい​​​​​​​​​​​​​​​​​​​

「公共=common( コモン)」は、市民の共有財産であり、公園や図書館、文化会館のような公共施設、または教育、医療、道路、水道など、市民の生活や健康福祉の維持向上に欠かせないものです。​​

○公共施設附帯駐車場有料化の撤回と、これ以上の公共施設有料化への反対​​​​​​

​海老名では、2022年から公園など5つの施設の公共施設附帯駐車場の有料化が始まりました。そして更に、受益者負担の適正化などを理由にコミセンなどの有料化も検討するとしています。​


しかし公共は市民の共有財産であり、市全体の福祉に役立つものであって、利用者=受益者ではありません。受益者は社会全体であり、赤ちゃんから高齢者まで、お金のあるなしに関わらず、すべての人に対して平等に開かれているものでなければならないと、私たちは考えています。​​

​特に、中心的な利用者は社会によって守られるべき立場である、子どもたちや高齢者であることから、負担の増加によって利用を控えなくてはいけないなど、その対象となる人たちから使われない施設・設備になることも懸念されます。​​

​これらの施設・設備は使われても使われなくても、一定の維持費はかかります。であれば、ひとりでも多くの方に利用しやすい場所であった方が良いのではないでしょうか。

​運営費が必要であれば、指定管理者への委託料など見直すべき点は他にもあります。​​これらの理由から、私たちは既に有料化された公共施設附帯駐車場の有料化撤回を求めます。また、コミセンなどの施設のこれ以上の有料化に反対します。
○指定管理業者への委託の見直しと、再公営化の検討​​​​​
図書館や海老名中央公園など、市内のほとんどの公共施設は指定管理業者として民間業者へ運営を委託しています。その目的は民間のノウハウを導入することによるサービスの向上とコストの節約であったはずですが、民営化以前よりもコストが増大している施設があります。

​また指定管理者への委託によって、自治体が運営意識を持たなくなる、効率優先・経費縮減が優先になり、サービスが低下する可能性があること、数年おきに管理する企業が代わるため継続性や連続性がなくなることなどのデメリットもあります。

​​​海老名市には指定管理者への財務監査がないこともあり、適切なコストで運営されているかをチェックする仕組みもありません。​

私たちは、民営化が長期的な視点で市の文化を維持発展させ、市民のためのサービスを向上させているかどうかを検証し、そのためのコストが適切であるかをチェックする仕組みづくりを推進します。
また、現在の指定管理業者ありきの方針を見直し、再公営化を検討するとともに、これ以上の民営化をストップします。
2.自然と共生する、持続可能な海老名​​​​​​​
​海老名の好きなところは何ですかと訊ねると、多くの人から「自然が豊かである」「田畑や森林が多い」「程よく都会で程よく田舎」といった答えが返ってきます。

海老名市にいま必要なのは、自然豊かな環境を将来に残すことと、持続可能なまちをめざすこと。これ以上の過度な開発を見直して、自然と共生することと、環境問題に取り組むことを優先します。
○海老名市役所周辺の都市化計画の見直し​​

海老名市は、ここ数年で大きく経済発展してきました。開発によって大型の商業施設やタワーマンションが建ち、住民が増えて、税収も増加しました。それ自体は悪いことではありませんが、豊かな自然や美しい景観は、一度失うと取り戻すことが困難なものです。

また炭素を貯蔵する土壌を減らさないこと、降雨時の治水の​観点からも、農地を減らさないことが環境問題や災害対策にも繋がります。

これらの点から、今計画されている市役所の周辺約39.4ヘクタールの田畑など、緑豊かな土地の都市化開発に反対します。

○持続可能なまちを目指して、公共施設、公共交通機関の電気を再生可能エネルギーへ​​

温暖化や気候危機など、世界は地球規模の環境問題に取り組んでいかなければいけません。海老名市においても、これからは持続可能(サスティナブル)なまちを目指して、公共施設や公共交通機関の電気を再生可能エネルギーでまかなうことを推進します。
海老名市 北部公園
おやこ劇場の凧揚げ大会にて
3.子育て世代の親たちがいきいきと暮らせる社会
加速する少子高齢化社会に地域社会から本気で取り組むために、子育て世代の親たちがいきいきと暮らせる社会を目指して、出産・育児にかかる家庭の負担を軽減し、子育てしやすい環境を行政が整えていくことが必要です。

​海老名には、出産ができる産婦人科がある施設が市内に1箇所しかありません。
​産前・産後に十分な公的ケアが受けられず、大変な思いをした、他市から引っ越してきて、他市と比べて制度が充実していないことに驚いたという声をたくさんうかがっています。

子どもを産んで育てることがつらいなんておかしい、子育てしやすいことが当たり前であるまちになるために。​​そして子育て世代の親たちが、自分の人生を諦めたり、犠牲にしたりせず、夢を追い続けられる社会をめざします。
○子育て中のママを孤立させない、産前・産後ケア事業の充実と拡大​​

海老名市には現在でも訪問型産後ケアがありますが、利用できる方の条件があり、利用回数も1回の出産につき3回までとなっています。

また利用申請から決定通知が届き、その後から予約ができるようになるため、すぐに助けてほしい、という要望に応えることができません。

産後ケアの充実として、申請を受けてから支援するのではなく、定期的に対象となる家庭を訪問することで、支援を必要とする母子を早い段階で本格的な支援へと導きます。

その他、産前・産後ヘルパー制度の導入や、訪問型産後ケアの利用可能回数を増やす、民間の施設と連携して、利用した場合は金銭的な援助を受けられるようにするなど、制度の充実と拡大を推進します。

​他市にはあって、要望の多い、宿泊型の産後ケアについても導入の検討を求めます。

○子どもを預けて自分の時間を過ごせる場所を各地区に創設​​

例えばカフェが隣接され、子どもを遊ばせながら親が自分の時間を過ごせるような場所を、市内の各地区に創設します。

​海老名市には「空き家等対策計画」がありますので、空き家対策の一環としても推進する意義があり、そこで働くための保育士資格や調理師資格等を持った人を市が正規職員として雇用することで、雇用の促進にも繋がります。

​子どもと一緒に過ごせるだけでなく、一時的に子どもを預かってもらうこともできるようにすることで、育児の疲れを癒やすとともに、趣味や自発的な活動に取り組めるようになり、子育てしながらも自分の人生を諦めることなく、いきいきと過ごせるようにします。
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4.子どもたち一人ひとりに合った、多様な学びの場所を選べること​​

全国の不登校児童生徒数は、2021年度には24万人を超え、大きな社会問題となっています。海老名市でも同年度の統計で中学校で161人、小学校で105人、計266人の児童生徒が不登校になっています。

すべての子どもたちの学びと経験を保証することは、各家庭だけではなく、行政が責任をもって取り組むべき課題です。そしてそれは「学校に行けるようにする」という画一的な方法ではなく、一人ひとりに合った多様な学びの場所を創造していき、学校が合わなくても他にも選択肢がある状態が望ましいと考えています。
○民間フリースクールへの公的支援の拡大​​

学校へ通えない子どもへの支援策として、市内に開設されている民間フリースクールへ通うという選択肢があります。しかしながら、公立学校に比べて家庭の教育費に対する負担が重たくなることから、子どもに合った場所を見つけたとしても、簡単に通うことができないという問題があります。

そこで、民間フリースクールに対する公的支援を拡大することで、家計の負担を公立学校と同程度まで抑え、なおかつ十分な教育が行えるよう、施設・設備を充実させることを推進します。

民間フリースクールが、オルタナティブな(もう1つの)選択肢になることで、子どもたちの学びを保証します。

○校内フリースクールの設置​​

不登校ではないけれど、学校へ行くことに困難を感じている子どもたちに対して、教室以外の校内フリースクールを設置する学校が増えています。

​校内フリースクールは、不登校になる前の、セーフティーネットとしての役割も持っています。

海老名市でも、各公立学校に1つ、校内フリースクールを設置し、単に別室を設けて空いている先生が見るだけにとどまらず、生徒の心のケアができる専門家を市が正規職員として雇用して配置し、学習と精神の両面から子どもたちを支援します。

○教員の待遇の改善​​

学校の教員の負担の軽減と待遇の改善も、日本社会の大きな問題になっています。

教員の負担軽減策として、学校の事務業務を担う事務職員を市が正規職員として雇用して増やし、教員の負担を軽減することで、教育に直接関係ある本来業務へ集中できるようにします。また生徒と向き合う時間を創出し、学習面や学校生活のサポートができるようにします。

​学校生活のサポートに当たっては、十分な人数のスクールカウンセリングの専門家を雇用して配置し、教員も生徒も適宜アドバイスを受けられるようにします。
川崎市 子ども夢パーク
5.子どもの権利条例の制定と、子どもたちがのびのびと過ごせる居場所づくり​​

子どもたちは、将来の社会を支える存在であり、その成長を支えることは、親だけではなく、社会全体の役割であると言えます。

​子どもたちの権利を守り、市と市民がその声に本気で向き合えるようにするために、以下のような施策を提案します。

○子供の権利条例の制定​​

「子どもの権利条約」に基づいた、「海老名市子ども権利条例」の制定を求めます。

「子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)」は、世界中すべての子どもたちがもつ権利を定めた条約で、1989年11月20日、第44回国連総会において採択されました。日本も1994年に批准しています。

2023年4月1日に「こども基本法」が施行されましたが、この法律は日本国憲法および子どもの権利条約の精神にのっとり、すべての子どもが将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指しているとともに、子どもに関する施策の策定等に当たっては、子どもの意見の反映に係る措置を講ずることを義務付ける規定が設けられています。

海老名市でも、子どもの権利条約およびこども基本法に基づいた、「海老名市子ども権利条例」を制定することで、より強力に子ども施策を推進するとともに、子どもたちの声に向き合い、子どもたちの幸せを実現するまちにしていきます。

制定に当たっては、民間業者への委託を前提とするのではなく、市と市民が責任を持って推進し、子どもの意見を直接反映します。

○子どもたちがのびのびと過ごせる居場所づくり

神奈川県川崎市では、既に2000年に子どもの権利条約に基づいた「川崎市子どもの権利に関する条例」を制定し、2003年7月にはこの条例を実現する施設として、「川崎市子ども夢パーク(※2)」を作りました。

海老名市においても、上記の通り「海老名子どもの権利条例」を制定し、その約束を実現するための施設を作ることを求めます。海老名で成長する子どもたちが、それぞれの個性を発揮して、のびのびと過ごせる居場所、例えば思いっきり自然の中で遊べるプレーパーク、中高生が勉強や趣味を満喫できるスペースなど、さまざまな年代の子どもたちが安心して利用できる場所を、市と市民と、子どもたちの手で作ります。
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​※2 川崎市子ども夢パーク https://www.yumepark.net/​
​6.オーガニック農業と地産地消による​​環境負荷の低減

地球温暖化や環境負荷の低減に対し、農業の観点からも取り組みます。
オーガニック農業を推進して、土壌を豊に、田畑の生態系を守るとともに、農地での炭素貯蔵力を高めます。

​また地産地消により、流通における環境負荷を低減します。

オーガニック野菜をやお米を積極的に学校給食へ採用することで、安定的な需要を確保するとともに、食育の観点からも子どもたちへ地元で採れた美味しい食材による給食を提供し、給食の質の向上に取り組みます。
これらの実現のため、私たちはオーガニック農業の理解を広め、海老名市でオーガニック農業を行う農地を増やしていきたいと考えています。(国が2021年に策定した「みどりの食料システム戦略(※1)」では、オーガニック農業の取り組み面積の割合を、2050年に25%まで拡大することを目標にしています。)​
○オーガニックビレッジ宣言

オーガニックビレッジとは、農林水産省が上記の「みどりの食料システム戦略」を踏まえ、有機農業に地域ぐるみで取り組む産地のことをそのように名付けています。

同省ではオーガニックビレッジを2025年までに100市町村、2030年までに200市町村創出することを目標として、市町村の支援に取り組んでいます

海老名市もこの取り組みに参加し、農業を通じて地球温暖化や環境負荷の低減に取り組むことを推進します。

地元で採れた野菜やお米を、地元で消費する、地産地消の循環型社会をつくることで、多くの家庭の食卓に、海老名産の美味しい食材を届けることができるようにします。

○オーガニック農業を始めたい人への支援​​​​

既に農業を営んでいて、オーガニック農業を始めたい方、またはゼロからオーガニック農業を学んで就農したいという方へ、研修制度や就農支援を用意して、海老名の農業を支えます。

また、使われていない田畑をオーガニック農業専用区域として市が買い上げ、上記の目的で新たにオーガニック農業を始めたい市内外の方の参入を支援するなどの施策を推進します。

○オーガニック給食の実現と給食の質の改善​​

市内で生産されたオーガニック農業による米、野菜などの生産物を、学校給食に採用する取り組みを推進します。

学校給食という安定的な需要があることで、オーガニック農業に取り組む農家の収入が安定するとともに、市内で生産された美味しい農作物を子どもたちに提供することで、給食の質の向上に取り組みます。

また、給食を教育の一環として捉え、将来的には学校給食は完全無償とし、学校生活における子どもたちの食による健康を市が保証することを求めます。

このような取り組みは、既に韓国をはじめ、国内では千葉県いすみ市、島根県吉賀町、熊本県山都町等で進んでおり、オーガニック給食と無償化が実現している学校もあります。
​※1 農林水産省​​HP「みどりの食料システム戦略」
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/midori/​
海老名市の田んぼ