いわせ接骨院「健康の玉手箱」

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いわせ接骨院『健康の玉手箱』vol.42 「朝ドラをみて思い出したこと〜妊娠中の注意点〜」

いわせ接骨院『健康の玉手箱』vol.42 「朝ドラをみて思い出したこと~妊娠中の注意点~」

こんにちは「健康の玉手箱」なかなかお届けできず、ごめんなさい。

NHK朝ドラ「風薫る」ご覧になっているでしょうか。トレンドナース、日本で最初の看護士さんたちのお話です。「看護とは何か」を手探りで、命がけで探求していく物語です。

「風薫る」の番組を視聴していると、治療のお仕事を学ばせていただいた頃の自分を懐かしく思い出します。臨床の現場では、何をどう対応したらよいのか、最初の頃は、ホントに全く反応できずに、うろたえるばかりでした。頭で考えてから行動したのではまったく使いものにならないのです。

ぎっくり腰で激痛の患者さまをはじめて担当した時のことは、いまでもはっきり覚えています。師匠の因泥哲彦先生は、だまって手を出さずに見守っています。私は腹をくくり、今まで教えていただいたことを信じて、命がけで施術をさせていただきました。

この経験から、頭で考えずに自然にカラダが反応できるようになりました。私は治療の道に入る前に、さんざん頭の中で思考を巡らす哲学を学んでいました。「いままで学んだことをいったん全部捨てよう」と決意したのです。小著『健康を実感できる いわせシステム』はそれを超えた先に生まれたものです。あの日から30年以上の月日が経っていました。

朝ドラ「風薫る」は医療の道に入ったばかりの人が経験することがとてもよく表現されていると思います。かつての朝ドラは、朝の忙しい時間に放送するからか、とてもリズミカルでテンポの良い番組が多かったと思いますが「風薫る」は妙な間があり、それがまた遠い記憶を呼び起こすのかな~と思います。

さて本題ですが「風薫る」の直美が軍人の小川吾郎と結ばれ、妊娠します。吾郎は軍服の第二ボタンを緩ませて帰宅します。妊娠中の直美がボタンを修繕するために針仕事をするシーンが何度も出てきます。出兵した吾郎は、不幸なことに終戦したにもかかわらず脚気(かっけ)で亡くなり、第二ボタンの外れた軍服だけが戻ってきました。吾郎の出征中に直美は明(あきら)を出産します。吾郎はついに明を抱くことは出来ませんでした。

吾郎は、終戦後、台湾で崖から転落して足を傷め、広島の病院へ移送され、偶然にも直美の元同僚の看護士に最期を看取られます。吾郎の最期の様子を元同僚から聞かされ、外れた軍服の第二ボタンを渡されます。吾郎と暮らした家に戻り、直美はひとりマッチでアルコールランプを灯して、吾郎の軍服に第二ボタンを縫い付けます。

時代考察もしっかりと配慮された印象に残るシーンで、そのために物語としては、妊娠中の直美に針仕事をさせているわけですが「妊娠中には、針仕事のような細かい仕事をしてはいけない」と、私は研修期間中に教えていただき、妊娠している患者さまにも注意してきました。妊娠中に「針仕事のような細かい作業」をすると目を傷めてしまうのです。

それから、吾郎は台湾出征中、崖から転落して足を傷めるのですが、それで亡くなったわけではなくて、崖から転落する前から「脚気」を患っていたと、直美は元同僚の看護士に告げられています。いまはほとんど聞かなくなりましたが「脚気」を患うと、からだ中の力が入らなくなり、立つこともままならなくなります。ですから崖から転落したのだと思います。  

戦闘中でないのに、軍人が崖から転落して負傷するなんて、なかなか考えにくいことですよね。じつは日露戦争時も、現在の旅順(自然の地形を生かした軍港)の二百三高地を野木将軍が攻め落とした時も、おおくの軍人が亡くなり、亡くなった軍人の屍を盾にして戦ったそうです。陸軍の軍人のほとんどは「脚気」を患っており、戦闘態勢の中、立つこともままならない状態なので、足がガクガク震えていたそうです。その様子を見た敵兵は、日本兵は恐れをなして震えていると思ったそうですが、そうではなかったのです。

日露戦争では海軍が奮闘しバルチック艦隊を打ち負かすわけですが、じつは海軍には「脚気」を患った軍人はいなかったようです。当時はまだ「脚気」の原因が分かっておらず、陸軍を担当した軍医はドイツに留学した森鴎外でした。ドイツは「病原体」を発見した学者を輩出した国なので、当時は「脚気」も病原体説として研究されていたようです。

しかし「脚気」の原因は病原体ではなくて、栄養の偏りが原因だったのです。海軍を担当していた軍医は栄養を重んじる医療の研究者だったので、海軍の食事はとてもバランスが取れていて「脚気」を患う軍人が出なかったのです。脚気の直接的な原因は、ビタミンB1が不足することにありますが、糖質に偏った食生活を続けていると、糖質を分解するために大量のビタミンB1が消費されることが今では分かっています。

10年近く研修させていただいて、いわせ接骨院を開業する前、師匠の因泥先生に「大連と旅順の旅」に同行させていただきました。当時は、旅順の戦場跡にはまだ鉄砲の弾痕があちらこちらに残っていて戦闘のすさまじさを知ることができました。

朝ドラ「風薫る」は、私にとっては遠い昔の記憶を思い起こされる不思議なドラマです。

さて、7月のメルマガ「熟睡」でお約束した「酵素」のお話は、当時の海軍が大切にしていた「栄養」に通じるお話です。「病原体」も病気を引き起こす重要な原因ですが、じつは「栄養」は病原体にも通じる側面があることも今ではわかっています。

つぎは「酵素」のお話、発信しますので、もうしばらくお待ちください。

2026年9月4日

文責 岩瀬和仁 いわせ接骨院院長

 

 

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