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牛の健康を第一に考え、海・山・川の恵みを​​循環させる

「牛には塩が必要」ということを知っていますか?  人に塩が必要なように、他の動物にも生きていくために塩が不可欠です。牛は日頃、ブロック状の「鉱塩(こうえん)」を舐めたり、塩を混ぜた穀物飼料を食べて欠乏を防いでいます。1頭で換算すると年間に18~36kgほど。牛を100頭飼育すると、年間1.8~3.6tの鉱塩が必要となります。

                      伊豆半島にある塩工房の塩釜を再現し、1時間に1回、薪で煮詰めた海水のチェック

「牛のために自分で塩を作る」と動き始めた2016年。それまでは穀物飼料を与え、乳量を増やす酪農を行っていましたが、2008年と2010年、立て続けに家畜伝染病が発生。多くの牛が命を落としてしまいました。罪のない牛を死なせてしまった後悔から、牛の健康を第一に考えた循環型酪農への転換を決心しました。牛に無農薬・無化学肥料で育てた牧草を食べさせ、牛のふん尿を土に還元し、より良い牧草を育てる循環を目指し、牛のふん尿を3年かけて畑に還元し続けました。

大雨の後にできる小​​川で遊ぶ牛たち

最初の頃は牧草の種を蒔いていましたが、今では何をしなくても自然と生えてくる「永年草地」の状態に。2018年に無農薬・無化学肥料を達成しました。「牛の腸と土はつながっている。堆肥は宝物」と実感。堆肥にそば殻やくず豆を混ぜて微生物の活動を促すと、牧草はぐんぐん元気に。その牧草を食べた牛は良いふん尿を出し、良い堆肥ができる。この好循環は、牧場内にとどまりません。山や海、川にも良い影響を及ぼし、自然を守ることにもつながるのです。

                          牛は人が食べれない草を食べて、人が食べれる乳や肉を提供してくれる。

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牧草を変え、飲み水は井戸水に変え、最後は塩。自宅のキッチンで試作を続けながら、静岡や石川などの塩づくり工房を訪ねて勉強しました。5年ほどの歳月を費やし、「十勝の塩」が完成しました。塩づくりのモットーは「おいしい海水をそのまま塩にすること」。海藻や魚介類がよく集まる地区の海水を、満月の日に汲み上げます。満月の日は太陽と月の引力で、エネルギーや栄養分が海面近くまで上がるタイミングです。トラックで自宅前にある工房まで運んだ後は、薪火でじっくりと焚き、1週間ほどで完成です。

満月の塩は甘みや深みが、ある。

出来上がった塩(天然)を早速牛にあげてみると、いい食べっぷり。鉱塩(人工)とは歴然の差がありました。「おいしそうに食べてもらえると、こちらも嬉しい」と、好循環が生まれています。

                               放牧地で休む牛たち。自然の日光と風が気持ちいいようだ

「牛を健康にしたい」シンプルで力強い信念から始まった4代目の牧場改革。2023年、木造牛舎から、全国のご家庭へオーガニック牛乳を届けられるようになります。

牧草をお腹いっぱい食べた牛からの牛乳は、人のカラダとココロに美味しい♬

十勝オーガニック牛乳
​2023年4月発売予定

​・オーガニックグラスフェッド
​・ホルモン剤不使用
​・搾りたて30分以内の生乳を低温殺菌(ノンホモ)
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