忘れられない人々VOL10

免許返納は悩ましい

 

「イワナガさん、大変です！！A吉さんがバイクで国道を走ってるんですけど、

　蛇行がひどくて、とても心配です。自宅に帰りつくまで、後ろから追いかけます。」

 

と、電話をくださったのは、ヘルパー事業所の管理者Tさんです。

 

蛇行しながらも、無事に自宅にたどり着いたということで、安心の電話が入りました。

が、一件落着とはいきません。

 

A吉さんは、数年前の病気で両手足に軽い麻痺がありました。

グリップでスピードをコントロールしながら、足でギアを変える操作は、なかなか難しくなってきていました。

 

A吉さんを知っている人は、バイクの運転は無謀と誰もが思っています。

 

特に息子さん二人は心配で、運転をやめてほしいと様々工夫を凝らしていたのですが、

A吉さんがバイクの運転をあきらめることはありませんでした。

 

それには訳がありました。

もともとは奥さんのB子さんと二人暮らしでしたが、Ｂ子さんは病気で亡くなってしまいました。

A吉さんは自宅で熱心に介護をしてB子さんを看取りました。

 

一人暮らしとなったA吉さんにとってバイクはなくてはならない戦友なのでした。

 

その後も交通事故が心配で、周りはやきもきするといった日々が続きました。

が、ある日ドラマは突然に終わりました。

 

ヘルパーさんの訪問中に倒れて緊急搬送され、そのまま病院で息を引き取りました。

息子さん二人もなんとか間に合いました。

交通事故でもなく、孤独な最期でもなく、一番そばで支えて伴走してくださったヘルパーさんに見守られて旅立ったのです。

 

皆の心配は稀有に終わりましたが、家族と、地域と支援事業所が一緒になって頑張った結果です。

 

正しかったのかどうかはわかりません。他に最善の策があったかもしれませんが、A吉さんの人生とはそういうものだったと思い出します。

 

それほど、免許返納とはムズカシクナヤマシイものです。

 

 

🍎🍎🍎🍎🍎🍎🍎🍎🍎🍎🍎🍎🍎🍎🍎🍎🍎🍎🍎🍎🍎🍎🍎🍎🍎🍎🍎🍎🍎

 

 

3月は桃の節句。ひな祭りですね🥰

諌早市の長崎ランタンさんでは、名前立て・名前旗を販売されています。

名前や、生年月日を一人一人刺繍で入れてもらえます。

お誕生祝や、初節句のお祝いにもらっても送ってもいいですね。

 

こちらから↓↓↓

 https://tsuku2.jp/lantern