忘れられないといえば、ケイさん。
出会ったときケイさんは９６歳でした。
数々の武勇伝をもつ地域ではちょっと有名な方でした。
型破りなために家族とも疎遠となってしまい、経済的な問題も抱えていました。

見た目は仙人のようであり、ご本人は意に介さず。
私を『最後の弟子』にしてくださり無事に契約を結びました。（もちろん介護保険での契約ですが　笑）

市長申し立てによる成年後見制度の利用と、夏を前にエアコン設置を急ぎました。

前もっての触れ込みとは裏腹に、支援はかなり楽しいものとなりました。
愛称で呼ばれることを嫌がらず、訪問する私たちも自然体で受け入れ、虚実入り混じったエピソードを聞かせていただきました。

そしてケイさんは、梅雨明け後あっけなく亡くなりました。亡くなった翌日に後見決定の通知が届きました。

ケイさんから学んだことはたくさんありますが『きちんと生きなくても最後は何とかなる』ということを一番感じました。
つまり、人生には成功も失敗もないことを、身をもって教えてくださいました。
ケイさん以外にこんなにストレートに教えることができる方はいないのではないでしょうか。やはりケイさんの言われたように私は最後の弟子であったのかも知れません。


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