私は今日も、金子佳世をやっている。

私は何者でもない。でも、ここにいる。

神楽坂のしゃぶしゃぶ屋さんだった。

展示会3日間を終えたあとの打ち上げ。
少しだけ解放感があって、
みんなやりきった顔をしていた。

経営者たちと、トレーナーたち。
私はその中で、ちょっと異質な存在だった。

特別な肩書きもない。
派手な実績もない。

ただ、そこにいる人。

そのとき、ふと聞かれた。

「金子さんって、何をしている人なんですか?」

悪意はなかった。
純粋な疑問。

でも私は、答えに詰まった。

私は何をしている人なんだろう。

資格はある。
いろいろやっている。
でも、どれも“これです”とは言い切れない。

私は何者でもない。

そう思った。

そのとき、隣から声がした。

「分かってないな。
金子さんは“金子佳世”をやっている人なんだよ。」

みんなは笑った。

「え? それ、どういうことですか?」

場は和んで、会話は流れた。

でも私は、その言葉が胸に残った。

ああ、それでいいんだ。

私は、何かの肩書きにならなくていい。

私は私をやっていればいい。

私はセミナージプシーだった。

資格を取り、
学び、
でも自信にはならなかった。

何者かになりたくて、
何者にもなれなかった。

でも今は思う。

何者かになるより、
自分を整え続ける人でいればいい。

朝、書いて整える。
身体を動かして整える。
人と組んで整える。
場を整える。

すごくなくていい。

整えれば進める。

「私は何者でもない」

そう思っている人へ。

大丈夫。

あなたももう持っている。

すでに学んできた。
すでに経験してきた。

あとは整えるだけ。

ここにいたら、
なんか面白いことが起きそう。

そんな場を、私はつくっていきたい。

私は今日も、
“金子佳世”をやっている。
走るのが怖い。でも、止まる方がもっと怖い。 一覧