犬の食糞行動 3つの原因と対策について

 犬のしつけでお悩みの飼い主さんからよくある相談は甘噛み、吠える、トイレそして食糞です。今回はこの食糞について僕なりの経験と見解をお伝えいたします。
 食糞行動は人間の考えから想像するとありえないことですが、動物という観点で考えるならば比較的当たり前の行動です。犬以外でも有名な例ではウサギやチンパンジーなども食糞行動をするそうです。その理由は未消化の食べ物から栄養吸収するためや、母親が子供の排泄を促すために舐めてあげる行動です。ですので犬でも比較的食糞行動が多いのはメス犬のようです。さらに母性本能が強いメス犬は自分の子供を守るように威嚇する行動をとる子もおります。しかしオスでも食糞行動があるので今回はこの行動の考えられる原因とその対策を3つお伝えしたいと思います。


食糞行動の原因その1 → 飢餓状態
 子犬を譲り受けられてから数か月経過した飼い主さんからの相談でとても多いケースがこれです。ご飯の量を最初の頃からほぼ変えてないまま体が成長してきているため、心も体も飢餓状態に陥ってしまっているのです。その理由は飼い主がドッグフードの裏に記載されている体重による与える量の目安にあります。このことを人に例えて考えてみてください。体重が同じ60キロの人が二人いて、一人は一日中あまり体を動かさずパソコンやゲームをずっとやっている人、もう一人は一日中サッカーしてたり肉体労働している人です。まったく食べる量が違うと思いませんか?ですので記載されている目安量に当てはまる子は少ないと思ってください。また中にはお腹がすき過ぎたことが原因でフードアグレッシブ(食べ物をみると攻撃的になること)になり噛みつこうとしてくる子もいるので注意が必要です。
▶対策
まずは便が少し緩くなるくらいまで量を増やしてあげましょう。そして緩くなったら少し減らし、状態による変化に対応しながら増減してあげることをお勧めします。

食糞行動の原因その2 → 取り合いゲーム
 これもよくあるパターンですが、ウンチをすると飼い主は「あーっ!」と声出して慌てながら取ろうとすることで、犬も興奮してゲームが開始されるのです。この行動はペットショップに長くいた子を譲り受けた場合によくあるようです。今までウンチすると店員さんが扉を開け取ってくれる時に取り合うことで少し遊べる楽しさを学習したためでしょう。まさにビーチフラッグならぬウンチフラッグのようなウンチ取り合いゲームになっていたのが原因でしょう。
▶対策
 お気持ちはわかりますが、ウンチしても冷静に淡々と、そして素早く片付けてあげましょう。

食糞行動の原因 その3 → フードが合ってないのでは、、、?
 前述記載の通り、ウンチが未消化のまま排泄されているのかもしれません。
▶対策
 現在与えているフードを見直してみてはいかがでしょう?

<補足>
 以上犬の食糞行動3つの原因をお伝えしましたが、実際は行動の原因がどれか一つというより複合されているケースが多いようです。まずは一番当てはまりそうだと感じる原因から取り組むことをお勧めします。
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