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忘れられない人々 vol3

  忘れられない人々VOL3

目は口ほどにものをいう ~7人のハッピーな仲間たち~

 

私が感性療育研究所で働いていた時のとてもハッピーな仲間7人も忘れられません。

 

強度行動障害という厄介なレッテルを貼られた自閉症の中でも特段の配慮のいる方々ということでした。が、実際に一緒にいると強度とはどういうことをいうのかといいたくなるほどゴキゲンな仲間たちでした。

 

メンバー7人とスタッフ3人のチーム構成で、主な仕事は馬の世話と馬に乗ることでした。

馬を飼っているとそれに付随する仕事がたくさんあります。

餌やり・糞かき・水換え・引馬という名のお散歩などなど。そして乗馬も含めて一連の乗馬療法になります。馬が与えてくれるものは本当にたくさんです。

そして大量の糞は堆肥となってまた食物の循環を起こします。

 

そんなハッピーなチームのサポートは大変かというと、私にとってやはり貴重な体験だったのです。

確かに誰かがいったんパニックになると少々大変なことはありました。

自傷と言って自分で自分を傷つける行為を防がなければなりません。

 

でも、パニックにはたいていの場合理由があります。

音が嫌い・光が嫌い・毎日のルーティンができなかった・紳士のボタンが気になって仕方ないなどなど。逆に言うとそれさえなければとても平和な時間が流れます。

そうです、大変さを上回るなんともユニークで、自由で、ハッピーな皆さんでした。

 

ほとんどの方がノンバーバル(非言語コミュニケーション)という言葉を使わない方でした。

でも、全く話さないかというと全くではありません。

いくつかの単語は話す方からいわゆるオウム返しのかた。コミュニケーションは様々です。

 

となると、『静かなのでしょうねえ』と思われるかもしれませんがこれがまた、『にぎやかな』のです。

『にぎやか』、そう、言葉は話さなくてもにぎやかということはあるのです。

 

声の調子・表情・まなざし・テンション・お互いをしっかり意識しあっていること・気配・好きなこと・嫌いなこと・好きな人・嫌いな人・そんな言葉以外のコミュニケーションがなんとたくさんの種類あることか。

 

一緒にいるとこちらの感性も磨かれて、おおむね何を発信しているのかわかるようになってきます。

 

日常の中で、言葉で伝えてもなんと伝わらないことの多いことか。

そしてまた以心伝心。思いは言葉より雄弁に語ります。

そんな大事なことを私に教えてくれた仲間たちでした。

ありがとう。

 

 

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