ヒルデガルドと芳香蒸留水 〜アートゥルとは?〜

そ(一社)日本アロマ蒸留協会代表 河内です。



本日のブログでは、アビケンナ(イブンシーナ)により

確立された水蒸気蒸留法によって得られたローズの芳香蒸留水

当時どのように使われていたかをご紹介します。



13世紀頃から

世界各国に広まっていった芳香蒸留水ですが

世界的に蒸留水は あらゆる場面で活用されていました。


(布引ハーブ園の蒸留器)



この頃は、冷却法という手法が用いられヨーロッパにおいてはギリシャやローマを筆頭に各地で蒸留器の改良がおこなわれていたと言われています。




ドイツのヒルデガルドが、ラベンダーウォーターをつくったのは12世紀と言われていますが、

次第にイギリスやフランスなどにも広まります。


アロマの世界では、最も有名な精油のひとつ、Lavandula angustifolia(ラウァンドゥラ・アングスティフォリア)


その芳香蒸留水を、作った一番初めの方は、ヒルデガルド。


アロマの世界では、火傷にラベンダースピカを用いたことで、ルネモーリスガットフォセが有名ですが、

Lavandula angustifoliaに注目し、研究し始めたのは、

ヒルデガルドという修道女です。
名前の由来は、ラテン語で「洗う」を意味する「lavare」。


ラベンダーと言っても、実は、交配種など含め、この属には30種以上の植物があるため、ややこしいのですが、

アロマテラピーにおける有名な、ラベンダー種は、Lavandula angustifolia と呼ばれルものです。


北海道の富良野に群生しているものは、ラバンジンですね。


さて話は戻って、、

ローズの蒸留水は、当時様々に活用され、

今でもその歴史的使用法は引き継がれています。


飲用・スキンケアとして用いられるのは、もちろん目薬や胃腸障害や肝臓疾患の治療薬として飲用されたり


寺院を清めるために撒布されたり、手を洗い清めるのに利用されたり


と様々に活用されていました。




当初は、錬金術師たちによって産生されていた芳香蒸留水ですが、


15から16世紀頃になると薬剤師たちへと使い手が変わっていきます。


薬剤師からみて当時、芳香蒸留水は、


口の中のおできや口内炎や

胃腸薬

肝臓等の

治療薬としても

飲用されていたことがわかっています。



16世紀には、

ローズウォーターは、

ペストに対する薬として

スパイスや芳香物質とともに

組み合わされ使われていたのも

有名な話ですね。



17世紀に入ると、


ローズのみなず 

ネロリやラベンダーの蒸留も行われるようになります。



世界最古の香水として有名な

ハンガリーウォーターには、


ネロリやローズの芳香蒸留水が使用されていたことが

わかっています。




ハンガリーウォーターは、当時

若返りのローションや香水として使用されるのみならず

有効成分の入った治療薬として愛用されていたことがわかっています。


ラベンダーの芳香蒸留水は、

日本においては、

ローズの芳香蒸留水と同様

スキンケアや肌トラブル時の手当てに

よく用いられていますね。




日焼けして 赤くなってしまったお肌には

とてもおすすめの蒸留水が、

ラベンダーウォーターです。


ラベンダーやネロリと同様

17世紀には、カモミールやハマメリスなどの

お花のの蒸留が行われ、


沢山のフローラルウォーターが

愛用されていたといわれています。




旧フランス薬局方では

精油ではなく

芳香蒸留水を得る目的で

水蒸気蒸留したとき

その蒸留水を

(ハイドロゾル)と呼んでいたそうです。




私たち

日本アロマ協会で推奨している

キッチン蒸留®も


精油を採取することが目的ではなく

いわゆる芳香蒸留水を得るために蒸留を行います。





芳香蒸留水を得る目的で


キッチンで行う

お鍋を使った蒸留法ですが、

そこで

得られる芳香蒸留水を


ATR(アートゥル)®ウォーター

と名付けています。


アートゥルというのは

ペルシャ語で 香り

という意味を持ちます


かわいい響きだと思いませんか?

キッチン蒸留で得られる芳香蒸留水を

アートゥルウォーターとよぶこと・・

少しでも覚えてくだされば うれしいです。



キッチン蒸留って何?という方は、


体験説明会や、キッチン蒸留ATR検定セミナーなどを受講してみてください。


今までのアロマの概念が覆るはず


https://ticket.tsuku2.jp/events-detail/22640008528034


https://ticket.tsuku2.jp/events-detail/22208430124204


さて 次回は、芳香蒸留水の全盛期について

ご紹介させていただきますね。


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