夏のアトピー対策(感染症対策編)


夏のアトピー性皮膚炎が悪化する要因はこれまでいくつか挙げてきました。

汗・紫外線・乾燥などお伝えをしてきましたが、多く原因があるなかで、これかの要因で発生しやすいのが「感染症」です。


もともとアトピー性皮膚炎の方のお肌の菌叢は黄色ブドウ球菌が中心となっていまして、子どもの場合、夏のとびひは良く出る状態です。

また、ウィルス性の感染症でいいますと、ヘルペスやカポジ水痘様発疹症なども挙げられます。


アトピー性皮膚炎の方の場合、感染症に罹るとやっかいなのは、感染症による炎症は、バリア機能を大きく損なわれるため、回復に時間がかかりやすくなってしまいます。


また、カポジ水痘様発疹症などは、痛みが強い場合、入院の処置が必要となることがあるので、夏の感染症対策はアトピー性皮膚炎の方にとっては大きなポイントになります。


では、対策は薬剤を使う使わない、などで異なってきます。


薬剤を使用中でなおかつお肌の状態が悪い場合は、薬剤が持つ免疫を抑制させる働きにより、感染症の頻度が高まる恐れがあります。

お肌の炎症だけでなく、身体の熱などにも注意をしていただいて、状態が悪い場合には、感染症を専門とするクリニックでの受診は行ってください。


なお、薬剤を使用中でお肌の状態がコントロールできているのであれば、前回までの悪化要因の対策を行いながら、同時に睡眠食事など、基本的な生活習慣を整えるようにしてくださいね。


薬剤を使用しておられない場合、バリア機能がある程度維持ができているのであれば、保水保湿を適切に行うスキンケアを実施しながら、悪化要因の対策や適切な日常生活の維持を心がけてください。


バリア機能が維持できていない方の場合(肥厚やV字欠損などが見られる場合)には、その部位の細ケアを最重要視するようにしてみてください。

それとは別に、悪化要因の中では特に「汗」の対策をして「かいた汗は放置しない」というケアを徹底してください。


また、皮脂膜の形成そのものが阻害されている場合も多く、汗によるかゆみの増強が防げない状況が頻繁に見られます。

保水ケアは、お肌のダメージで浸みる場合には、まずはオイル系で浸みる箇所を保護してからローション系のアイテムで水分を与えるようにしてくださいね。


以上が夏のアトピー対策と状態別のオススメケアです。

今年も猛暑になると思いますが(もうすでに猛暑ですが…)、熱帯夜による不眠や食欲不振など体調の悪化につながる要因も増えてきます。

ここに感染症が重なりますと、かなり大きくアトピー性皮膚炎そのものを悪化させることにも繋がります。


アトピー性皮膚炎の方は、大きく分けますと、冬に悪化しやすい方と夏に悪化しやすい方になるのですが、特に夏に悪化する方は、これからの季節的な悪化要因の対策は十分に行ってくださいね。


夏をしっかり乗り越えることができれば、快適な秋を迎える事ができますよ。

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