災害支援ケアマネジャーについて

災害支援ケアマネジャーについて

 

私は災害支援ケアマネジャーという役割も担っています。

 

災害支援ケアマネジャーは何をするのかというと、大規模災害が発生した現地に入り、ケアマネジャーさんの後方支援や、実態把握をして行政につなぐと言ったことをします。

 

日本介護支援専門員協会から派遣依頼を受け、平成28年の熊本地震・平成30年の西日本豪雨災害直後の現地に入り主に実態把握に努めました。

実態把握をして、DMAT(災害派遣医療チーム)DWAT(災害派遣福祉チーム)につなぎ医療や福祉が受けられるようにチームとして活動しました。

 

熊本地震のときは、まだずっと余震が続いていて『地震酔い』といって、船酔いのような状態の中での支援となりました。地面が揺れているのか、揺れているような錯覚に陥っているのかわからないといった感じです。

 

大規模災害の発災直後はとても混乱していて、支援を受ける準備が整っていないというのが現状です。そこで実態調査を行い、どこにどのような支援が必要かを調べます。

 このような時にケアマネジャーが持つ、傾聴・共感力が発揮されます。

人は辛い時、なんにも言わなくてもただ寄り添ってもらうだけ、聞いてもらうだけで慰められる、癒されることがたくさんあります。


実際に、ケアマネジャーさん自身も被災者であり、車中泊をしながら着の身着のままでご利用者の支援にあたっているというケースがたくさんありました。

 

災害の前から要介護状態であった人の支援継続のために、あるいは、災害をきっかけに認知症状がみられるようになった、避難生活で活動性が落ちて歩けなくなると言った方を支援につなげます。

大事な薬をもって逃げることができず、自衛隊の医師に緊急に処方してもらったなどということもありました。

 

今回の能登半島沖地震にしても、同様のことが起きているんだろうなあと思い、現地のケアマネジャーさんたちのご苦労が偲ばれます。

 

ケアマネジャーは今では社会インフラの一部を担っています。人と人をつなぐ役割であり、地域の奥深くまで入り、人々の心の奥深くに入っている職業だと自負しています。

どんなにテクノロジーが発達しても、人が人を思いやる、寒ければ温めあう、それが基本ではないでしょうか。

 

ケアマネジャーの自己犠牲的な活動に頼り切らず、システムとして、社会保障としてしっかりとバックアップしていただきたいと願うばかりです。

 

全ての業種についてそれぞれの事情があるかと思いますが、同じケアマネジャーとして同業種の方にエールを送りたい。そして、少しでも早く復旧できること、寒さをしのげることをお祈りし、自分たちにできる貢献に努めたいと思います。



 私も日本ケアマネジメント学会で研究発表したのですが緊急時を助けるのはやはり、平常時の備えだと思います。物資・システム・社会インフラを強化しておくことを今一度自分事として考えたいものです。

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