人の心は表面からはわからない

人の心は表面からはわからない


あと数日で入所できるというところまで来ていたケースで、71歳の介護者が101歳のお母さんをアヤメてしまったという事件が報道されています。

どうして?思いますね。


大変な介護からあと数日で解放されるのであれば・・・と。


ところが71歳の娘さんは

「なんにも考えられなかった。私がどうにかしないといけないと思った。相談するところがなかった。」と証言していると言います。

ケアマネジャーも訪問看護師も関わっていた事例のようで、相談体制はあったと考えられます。

支援者側もショックを受けているのではないかと想像します。


自分の担当した事例を振り返っても、通常の聞き取りからは本当のことはわからないとつくづく思います。

『話すことより行動を見る』とよく言います。

行動がその人の本心なのだと。


昨日もそんなことがありました。

あまりご自宅での介護は希望されていないのだろうなと思っていた家族からのメールが届きました。

『デイサービスが受け入れてくれてホッとしました。誰に相談したらよいかわからず投げやりになっていました。

 ありがとうございました。生きていくよすがができました。」


とても嬉しかったのですが正直そこまで追い詰められていたとは思っていませんでした。

家族の姿はそんな風には見えず、むしろ淡々としているという印象でした。

しかし、抱えている課題は深刻で、兎に角嫌われてもいいから解決したいという思いで、一歩踏み込みました。

その結果が前述のメールで踏み込んでよかったと胸をなでおろしました。


人は、追い詰められると自分では考えがフリーズしてしまい、はたから見ると淡々と見えるのかもしれません。


いつどんな結果になるかはわかりません。

全力を尽くしてもうまくいかないことも沢山あります。

が、表面からはうかがい知ることのできない思いがあるのだという事を肝に銘じておきたいと思ったのでした。

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