難病支援、伴走の難しさ

難病支援、伴走の難しさ


難病と言っても受け止め方もそれぞれ。

リハビリを頑張れば進行に抗えると強く信じて頑張る方。

一方、なるようにしかならないと半ば病気を無視して生きる方。

やはり発症の年齢にもよるかもしれません。


なかでもちょっと辛いのが、妻が難病で夫が介護をするとなった時の受け入れは難しいなあと感じます。

妻は、夫に世話をかけることの申し訳なさでいっぱいになるようです。

夫も、自分も年を取っていく中でこれまであまりやってこなかった家事と介護が一気に押し寄せて。

妻が悪いわけでもなんでもないがついつい機嫌が悪くなる。

そして、誰かに八つ当たりしたくなる。


その八つ当たり先がケアマネジャーだったりすることもあります。

専門医と在宅医の連携が十分で、医師からの説明が十分な場合はまだよいのです。

ところが医師が説明しても『信じたくない耳』できくとどうしてもストレートには理解されにくいようです。

(元気になりたい思いと、現状のもどかしさ)×(進行を受け止めきれない心)で葛藤も頂点に達することがあります。


さて、どうするか。

夫婦喧嘩の仲裁はできません。しかし、今後の対応について相談に出向かないといけない。

これといった決めてもなく訪問にむかう車中で、ひたすら自分の心を波立たせないようにコントロールします。

興奮しているところに自分までもが興奮して関われば結果は最悪になることは明白です。


静かな佇まいで、まずは『聞かせていただく』ときめて自宅の玄関を入る。

一瞬はイラっとした空気が支配していますが、すぐに『誰のせいでもない、病気の問題だ』というふうにすこしづつ舵を切り替えてくださいます。

体力と気力と専門性を兼ね備えないと、伴走は難しそうです。

これで出来上がりという事はなく、常に事例に学んでいくものだなと感じます。

帰宅ラッシュの本気 一覧 ケアラー問題を学ぶ