リハビリ会議に思う

リハビリ会議に思う


進行性難病の方が通所リハビリを利用されていて、そのリハビリ会議に参加しました。

歩行速度が遅くなった、握力が低下したなどなどできなくなったことの指摘ばかりで聞いているこちらがつらくなりました。


専門性ですから、リハビリ職がエビデンス(科学的根拠)をもとにそういわれるのでしょうが。

自分が当事者だったら「もういいからこんな会議やめてくれ」と言いたくなります。

進行性難病と高齢であれば加齢によるADL低下はもう止めようがありません。

取り立てて大きな病気がない私でも日に日に皺の数は増えます・・・加齢そのものが止まらないのです。


そんなことを聞かされるために毎月のように会議があります。


会議のたびに「できることや維持できていること、楽しみにしていること、生き甲斐などポジティブな話はないんでしょうか?」と言ってみます。


そうですね!!とその時はリハ職も納得されるのですが、その後、他の方の話し合いでもポジティブな話題にはならないのが現状です😢


私たちケアマネジャーもアセスメントといって、事実を客観的に評価するツールがあり、それは必ず行うのが決まりです。

ですがそれが、出来ないこと探しの専門家にはならないようにしようと自分自身に言い続けます。


何職であっても、生きていることの醍醐味を少しでもたくさん味わっていただくのが究極の使命だと考えます。

何度伝えても伝わらないのはなぜでしょうか。

前向きにとらえるとしたら、やはりリハビリ専門職としては「少しでも改善させたい」という責任感や使命感から

それが達成できていないことの残念さがそういった表現になるのかもしれません。


例えば何秒か歩くのが遅くなってもその人の生きる価値がなくなるものでもなし、命が明日終わるわけでもありません。

「その人らしさや今日味わえる幸せに目がいかないものでしょうか?」と申しましたら、

同席のお医者様が「まったく同感!!」とおっしゃってくださったのが唯一の救いでした🥰


在宅とは病気をはじめ様々なジレンマを内包してそれでも自分らしく生きようとする現場なのです。

絵にかいたような進歩もないかもしれませんんが、まんざらでもない幸せも見つけようと思えばたくさん転がっています。

それを、チームを組んでいただいているサービス事業所の皆様と目標が共有できるようにこちらが心を砕かないといけないのだなと反省したのでした。

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