未知の領域

未知の領域


世界陸上が元気よく繰り広げられています。

とんでもない身体能力を持った人たちが、とんでもない努力研鑽を積み重ねて、その結晶を私たちに見せてくれます。


昨夜は棒高跳びで世界新記録がでました。

大記録を打ち立てたのは、スウェーデンのデュプランティスという25歳の青年です。

6m30㎝を棒一本で飛ぶ。簡単に言えばそれだけです。

マンションの2階位を急に上って急に落っこちてくるわけですが、感覚的には全く想像がつきませんね。


ところで、棒高跳びと言うと私たちの世代ではロシアのブブカ選手を思い出します。

当時、鳥人と言われていてこの人より飛べる人が出てくるなんて誰も想像できませんでした。

それが6m15㎝。それよりも15㎝も高く飛んじゃってるわけです。


絶対に破られないだろうと思っていた記録が、誰かが破ると次から次に記録が更新されていく現象のことを

『ブレークスルー』だったり、『閾値の突破』という呼び方をします。

心理的な障壁の除去・新しい戦略や技術の発見・競争意識の向上などが働くと言われます。


これはスポーツに限らず生活すべてに言えることかもしれません。


それにしても、国立競技場という立派なスタジアムは選手と観客が呼応しあって盛り上がっているように見えます。


それまで見たことのない景色を見せてくれる選手に応援と言う形で自分の思いを乗せて体験を共有する。

まるで自分が100mを9秒で走っているような気持ちになる。

まるで自分が6mも地上を離れたような気になる。

まるで自分が血のにじむような訓練を重ね、それが満場の目の前で報われたような気持ちになる。

だから、熱狂する。


スポーツの持つ力ってホント凄いです。

そういえば、『スポーツはするだけでなく、見るだけでなく、みんなで熱狂するためにスタジアムがあるのだ』というコマーシャルがあります。


国立競技場は2020年東京オリンピックのために改築されました。

当時は賛否両論。

むしろコロナ禍で、批判論が多かったのではないでしょうか。


誰が、昨夜の熱狂を想像したでしょう。

5万人がその一瞬の見届け人になるために、固唾をのんで見守りました。(テレビのこちら側を合わせるとすごい数でしょう。)

批判はしても作ってくれてありがとうと言う人はほとんどいませんね。

では、改めて言いましょう。『作ってくれてありがとうございました_(._.)_』

リーダーは一時期は批判されても、一貫してこれが何時、誰の為になるのかと言うのを考えないといけないのかもしれません。

昨夜のような、とんでもない世界新記録を目の前で見ることができ、めちゃくちゃ元気がでたひとがたくさんといるという事だってあるのです。


デュプランティスさんをはじめ、素晴らしいパフォーマンスを見せてくださる皆様、「ありがとうございます!!」

未知の領域を体現してくださる人がいるから人は進化ができるのです。

講師業の楽しさと難しさ 一覧 リモコンの行方