神は髪に宿るのか

神は髪に宿るのか


私がまだ駆け出しのころ、自称『神』と言う方を担当させていただきました。

長髪に長いお鬚。いかにもって感じです。

市営住宅の大半を占める祭壇(お手製?)が信仰の証でした。


「あんたをわしの最後の弟子にしてやる。」と言われましたので

私は、弟子として訪問を続けました。

Aさんはとても優しくてチャーミング♪みんな大好きでした。


ある日「衛生的にも、熱中症予防のためにもさっぱりとしましょう!」

という事になって髪を切り髭をそってもらうことになりました。

私が次にお会いしたときはきれいさっぱりと紳士になっていました。

一瞬誰だかわからないくらいに・・・


Aさんは髪を切ったら霊力がなくなると言ったようなことを言われました。

その年の夏、Aさんはなくなりました。

様々な事情からエアコンが取り付けられず、やっとやっと取り付けた翌日、市長申し立てで成年後見がつく前日のことでした。


年齢的にも90歳を過ぎていました。持病もありました。

寿命と言ってしまえばそれまで。

でも、もしかしてあの髪には神が宿っていたのかしらとふっと思い出すことがあります。

そういったことに詳しい方にたまたまお尋ねする機会がありました。

すると、「思い込みといえばそれまででしょうが、髪には神がやどるとは言いますね。」


やっぱりそうかあ。

Aさんは芯からそう思っていたのかもしれません。

『最後の弟子である私』はAさんから何を伝授されたのか・・・


人の命には『人智を超える』ことがある。

科学や化学、目に見えるもの見えないもの。

すこし大きく考えなさいという事か・・・


ムム、ムムム

師匠難しすぎます🥰


長い事仕事をしていると本当にいろんな方に出会います。

全てが学びであり、財産となっています。



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