2025.08.16
お盆の風景も様変わり
お盆の風景も様変わり
私が子供のころの長崎と言えば精霊流しに爆竹。
耳栓をしないといられないほどにあちこちでパンパンはじけて怖かったものです。
初盆の家は精霊船も一家に一台。
初盆でない家も『こも』といって小さな入れ物に果物やナスなどの野菜をいれて先祖を一緒に送り出しました。
精霊船はほとんどが手作りで、穂先に『西方丸』や阿弥陀如来の絵をかいたりとそれぞれに工夫を凝らします。
意外な絵の才能があって重宝がられるその時だけのスターが出たものです。
子供心に『せいほうじょうどってどこよ?』など、謎だらけのお祭りのような儀式。
男衆は船作り、女衆は料理の腕を振るって親戚一同をもてなす。
そして、みんなでご先祖様を供養したものです。
花火も初盆の家は数十万円分を一晩で使いました。
市内の花火屋さんは8月の1か月で1年分を売り上げるらしいと聞いて驚いたものです。
それが、昨夜の8月15日。
「ちんこんちゃんこん、どーいどい」
の掛け声はチラホラ。
バチバチの爆竹もチラホラ。
人口減少にコロナ禍が拍車をかけて
全てが簡素化しました。
精霊船も自治会で一台。
長崎で老舗の提灯屋さんが、『提灯が売れなくなって危機的状況』。と言われていました。
当時はめんどくさいと思ったり、怖いと思ったりしたものですが、あったものがなくなるってやはり寂しい気がします。
あの頃は活気があった時代だったんだなあと改めて振り返る。
次代は常に移り変わるのでしょうが、少し寂しい夏です。