おかしいことは必ずほころびる

おかしいことは必ずほころびる


私たちケアマネジャーは虐待の疑いを持った際には、疑わしい時点で通報する義務が有ります。


虐待には「身体的虐待」「心理的虐待」「性的虐待」「経済的虐待」「介護・世話の放棄放任」

等があります。


私たち在宅のケアマネジャーもときどき疑わしい事例に出会います。

紛らわしいのは、最初は『かなり熱心な介護者』を装って登場します。

かなり熱心な介護者が『熱心すぎる介護者』に見えてくる瞬間があります。

そもそも介護や育児はそんなに楽しいものではありません。育児には子供が成長して行く過程があるのでもちろん大変さの中にも楽しみはあります。

一方、介護はやはり段々と手もお金もかかるようになる。

そして、肉親が衰えて行く過程に付き合うのは家族としても、ストレスフルな事です。


出来ればやりたくない。自分のペースで、自分のやりたいようにやっていきたいのが人間です。


『なんとなく、おかしいなあ』くらいの違和感は次第にパズルのピースが集まるように『やっぱりおかしい!!』

となっていくわけです。

『熱心さ』が『度を超えている』に変わったときに『通報』と次のステップに移ります。

ですが、とても繊細な事ですから、慎重に慎重に地域包括支援センターや福祉事務所と連携を取っていきます。


通報は『養護者支援』でもあります。

虐待なんかだれでもしたくはない。ですが、『自分が背負わなければ』と力んだ挙句、行き過ぎてしまうわけですが。

そんな養護者(ほとんど家族になるわけですが)を自分でも感じていない苦しみから助け出す行為でもあります。


一瞬はとても傷ついたり、辛かったりするのですが、結果的には本人の尊厳を守り、介護者を苦しみから救う手段でもあります。


決着がつくまでは、私たちも同じようにしんどい時期を過ごします。



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