歩けるから転ぶ、転ぶけど歩きたい

歩けるから転ぶ、転ぶけど歩きたい


デイサービスから報告をいただく

「Aさんが、自宅で転倒しました。けがはないようです。」

私にどうしてほしいという事でもなく、義務として教えてくださったという感じ。


Aさんは102歳。いまだにお元気ですが自宅内でもシルバーカーを使って歩いています。

手すりも設置済。段差解消も済み。

歩行器の提案はしましたが、「慣れたものが使いやすい」ということで、シルバーカーで移動されています。


Aさんに限らず、加齢と共に段々と転倒が増えてきますが、それでも歩ける限りは歩きたい!!

それが本能とでもいうのでしょうか。

車いすや寝たきりになれば転倒の心配はなくなります。

でも、『転ぶのが心配だから歩けるけど歩かない』というのは社会生活を送っているとそれはなかなかできないようです。


這えば立て、立てば歩めの親心と言いますが、年を取るとこれを全く逆のステップでさかのぼります。

だんだんと歩けなくなる、立てなくなる。比較的近くであれば這って移動する・・・


Aさんは未だにお茶を入れたり簡単な食事の準備など、同居の息子さんのために奮闘します。

施設に入って24時間見守りや介助を受ければ転倒の心配はかなり少なくなるでしょう。

そうすると、やはりAさんらしさや、家庭での役割はなくなります。


打つ手なし、のときにケアマネジャーとしてはとてももどかしいものです。

課題解決型の職業であれば、課題を聞いたら解決したくなる。

でも、ご本人もご家族も、サービス事業所もそこはもう仕方がないと思ってくださっている様子。

皆で見守って、みんなで寄り添っていく、それしか方法がありません。


それでもご家族や事業所から連絡をいただくたびにドキッとする。

そういう職業です。

それでも、102歳で歩けているAさんは本当にご立派です!!

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