病気と障害と芸術と

病気と障害と芸術と


たまたま手に取った雑誌に世界的前衛芸術家草間彌生さんの特集があり、吸い込まれるように読みました。


草間さんは種苗業を営む名家に生まれ、小さいころから花や野菜の絵を描くのが大好きな少女だったという事。

そして、同時に10歳ころから幻視や幻聴が表れて、最初にスミレの花に見られていると感じたときは怖くて足がガタガタと震えたと書いてあります。


種か。それで、草間さんの絵には花や野菜や水玉モチーフが多いのですね。


芸術家にも精神的疾患や障害を伴っている方が時々いらっしゃいます。

ところが、治療をして効果が出ると作品の魅力が減ってしまい平板化する方もおられるようです。


それが原因かどうか、草間さんは病気と共存しながら創作活動を続けておられるとの事。

芸術を生み出すこと、病気と向き合う事どちらか一つでも大変な事なのに共存するとは・・・


病気や障害というとネガティブな感情を持ちがち。

一方で病気や障害が生み出させてくれる世界観もあるのだと思うと、病気や障害でくくってしまう事そのものがナンセンスなのか。

いずれにしろ、その度量の大きさが作品のスケール感となって世界中の人を魅了していることには間違いなさそうです。


そして、草間さんは『自分のことが大好き』と言われています。

難しく考えずに、それだけでいいのかもしれません。

世界中の誰よりも『自分が自分のことを認めて好きならば、それでよし。』という事でしょうか。

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