2024.11.07
忘れられない人々VOL12
忘れられない人々VOL12
~Aさんvsアルコールvsドクターvsケアマネジャー四つ巴の戦い編~
Aさんは長年の飲酒で肝臓はボロボロ。
もともと体力はないのですが、特に夏場の暑さに負けてへとへとです。
食事は入らないけどお酒は入る。そんなこんなで、みるみる衰弱。
家族からも見放されて、いざというときに入院準備など手伝ってはもらえない。
お金の関係でほかにサービスも使えず、ケアマネジャーがえっさほいさ病院に搬送。
お酒を飲まず、全身を管理されて治療がされて、しっかりと食事ができればいきなり元気なおじさんになってしまうAさん。
見かけは元気でも、脊髄抑制といって血液が作れない状態になっています。
そして急な退院調整(ケアマネあるある。右往左往💦)
退院前カンファレンスでの一コマです。
ドクター:「もうね、Aさん、あなた今度お酒飲んだら死ぬよ。死んでもいいんだったらど
うぞ。それとね、介護に依存なんかしないで、自分で生きていくこと。」
ご本人:「もう飲みません」
ドクター:「いや、きっと飲むと思うよ。それで体調悪くしてもうちは救急車断りますから。」
ケアマネジャー:「介護がないと生活はできませんよ。家族も見放しているんですから。」
ドクター:「あんたたちも甘くしないで。なんでもできるんですからAさんは」
ドクター:「とにかく、もう二度とうちでは診ません!!」と言って立ち去る・・・
現場の苦労を知りもせず、なんとひどい。(心で拳を握りしめるケアマネジャー)
「説教で治るくらいなら苦労しないんですよ!!家族もお手上げなんですよ!!」
と言いたい言葉を無理やり飲み込んで支援開始。
ところがです。
奇跡が起こりました。
退院後のAさんの家の玄関に観葉植物が3つ。
片付けや掃除など一切しない人が。植物に水やり。
生きる意欲を取り戻されたんです。なんと笑顔のおまけつき。
Aさんをあきらめてしまわずに怒ってあげた先生に軍配は上がりました。
Aさんの病気は孤独、寂しさだったのかもしれません。
怒るという愛はAさんに届いていました。
先生、心の中でひどいこと言いました。ごめんなさい。