プライドの納め先

プライドの納め先


ケアマネジャーをしていると、家族は本人の異変に気付いており、今後が心配で介護サービスを受けてほしいと思っているのに肝心のご本人が頑として受け入れないという事はよくあります。


経験上から言うと、実はご本人もうすうす気づいていることが多いです。


では、なぜかたくなに支援を受けたくないか、、、やはりプライドですね。


いくつになっても、何ができなくなっても、こころは若い時のままのようです。


自分を振り返っても、まだまだできると思っていることも多い(苦笑い)


なので、特に初回のサービス担当者会議で気を付けているのは、

『ご本人のプライドを根こそぎはぎ取ってしまうような、悲しい会議はしない』という事です。


家族から、それとなく聞いてはいるものの、専門職とやらが続々集まってきて自分のことを話しているらしい。

といった環境を作らないようにしています。


まずは、ご本人を主役にして、語っていただくことではないかと考えています。


先日出会ったAさん。私がお伺いしたときはベッド上でこちらに背中を向けて横になっていました。

「主役が来ていただかないと話し合いが始まりません。」と促すと、

しょうがないかといった様子で参加。


そして、朗々と自分語りが始まりました。

せっかく集まったんです。みんなでAさんの話を聞く会で終わっても、実務的なことはその後でスタートすればいいじゃないですか。


そう思って聞いていると、さすが人生の熟練者は、適当な時間でお話を終わって、そこから後はスムーズな進行。


わかっているんです。誰よりご本人が。

一番困っているのは、プライドの納め先。


初回のサービス担当者会議って、そのためにあるようにも思います。

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